ICEBERG行政書士事務所

中国人が日本でビザを取得する手順と注意点とは?種類・必要書類も解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中国人の方が日本に入国する際は、目的に合ったビザの取得が必須です。
しかし、「自分に合ったビザはどれ?」「必要な書類や手続きの方法は?」とお困りの方も多いでしょう。本記事では、

  • 中国人の方が日本で取得できるビザの種類
  • ビザを申請するための条件と必要書類
  • 日本のビザを申請する手順と注意点

について分かりやすく解説します。

なお、ビザは一般的に在留資格のことを指す場合が多いため、本記事では在留資格のことをビザ、それとは別に、入国に必要なビザは査証(ビザ)と表記します。トラブルや不安を事前に回避し、スムーズに在留資格を取得したいとお考えの中国人の方は、ぜひ最後までご覧ください。

中国人が日本で取得できるビザの種類一覧

中国人の方が日本で取得できるビザ(在留資格)の種類は、他の国の方と同じで合計29種類です。

以下4つの区分に分けて一覧表にまとめました。

  • 就労可能な在留資格
  • 就労不可の在留資格
  • 就労の可否は個人による在留資格
  • 身分または地位による在留資格

【中国人の方が日本で取得可能なビザの種類(在留資格)|計29種類】

1. 就労可能な在留資格(19種類)

在留資格該当例
外交海外政府の大使,公使,総領事,代表団構成員及びその家族
公用外国政府の大使館・領事館の職員及びその家族等
教授大学教授等
芸術作曲家,画家,著述家等
宗教外国の宗教団体から派遣される宣教師等
報道外国の報道機関の記者,カメラマン
高度専門職ポイント制による高度人材
経営・管理企業等の経営者・管理者
法律・会計業務弁護士,公認会計士等
医療医師,歯科医師,看護師
研究政府関係機関や私企業等の研究者
教育中学校・高等学校等の語学教師等
技術・人文知識・国際業務機械工学等の技術者、通訳、デザイアー等
企業内転勤外国の事業所からの転勤者
介護介護福祉
興行俳優、歌手、ダンサー等
技能外国料理の調理師、スポーツ指導者等
特定技能特定産業分野に属する相当程度の知識または経験が必要な技能を要する業務に従事する外国人等
技能実習技能実習生

2. 就労不可の在留資格(5種類)

在留資格該当例
文化活動日本文化の研究者等
短期滞在観光客,会議参加者等
留学大学,短期大学,高等専門学校等の学生・生徒
研修研修生
家族滞在在留外国人が扶養する配偶者・子

3. 就労の可否は個人による在留資格(1種類)

在留資格該当例
特定活動外交官等の家事使用人,ワーキングホリデー等

4. 身分または地位による在留資格(4種類)

在留資格該当例
永住者法務大臣から永住の許可を受けた者
日本人の配偶者等日本人の配偶者・子等
永住者の配偶者等永住者の配偶者及び日本で出生し在留中の子
定住者第三国定住難民,日系三世等

参考:出入国在留管理庁|在留資格一覧表

中国人が日本でビザを申請する条件と必要書類

中国人が日本でビザを申請するための条件と必要書類について解説します。

主な条件

在留資格の申請に共通する主な条件は、以下の2つです。

  1. 目的に応じた在留資格を申請すること
  2. 上陸拒否事由に該当しないこと

以下に詳しく見ていきましょう。

1.目的に応じた在留資格を申請すること

ビザを申請する際は、日本に滞在する目的に応じた在留資格を申請することが求められます。例えば、同じ語学教師で就労する場合を見てみましょう。

民間のスクールで働く場合は在留資格「技術・人文知識・国際業務」、中学・高等学校ならば「教育」の在留資格を申請する必要があります。必ず、申請人の活動目的に応じた在留資格の種類を確かめたうえで申請しましょう。

どの在留資格が適切なのか確認したい場合は、出入国在留管理庁のホームページより「在留資格一覧表」をご覧ください。

2.上陸拒否事由に該当しないこと

在留資格を申請する際の2つ目の条件は、入管法で定められた上陸拒否事由に該当しないことです。具体的には、以下に該当する場合は日本への入国が認められません。

  【上陸拒否事由】
 ・保健衛生上、上陸を認めるのが好ましくない者
 ・反社会性が強いと認められる者
 ・退去強制を受けたことがある者
 ・我が国の利益または考案を害するおそれがある者   
 ・相互主義に基づき上陸を認めない者    etc…

参考:出入国在留管理庁「入国・帰国手続き〈上陸拒否事由(入管法第5条)〉

ビザ申請に必要な書類

在留資格の申請に必要な書類は、在留資格ごとに大きく異なります。本章では、在留資格「短期滞在」と「就労・中長期滞在」とに分けて解説します。

短期滞在の必要書類

短期滞在の必要書類は、申請人が中国で用意するものと、身元保証人(※1)及び招へい人(※2)が日本で用意するものとがあります。提出する書類はそれぞれの目的に応じて細かく定められていますが、共通の書類は以下の通りです。

※1身元保証人:金銭面、マナー面で責任を取れる人
※2招へい人:日本へ呼びたい人

【中国側で用意する共通書類(申請人)】

  • 査証(ビザ)申請書
  • 写真(6ヶ月以内に撮影したもの)
  • パスポート
  • 戸口簿写し

【日本で用意する共通書類(身元保証人及び招へい人)】

  • 身元保証書または招へい理由書
  • 住民票
  • 在職証明書
  • 在留カードの写し(身元保証人及び招へい人が外国籍の方場合)

短期滞在の目的には、観光、商用、親族・知人訪問等があり、期間は90日以内です。例えば、短期滞在ビザで商用を目的として訪日する場合は、上記の他に以下の書類を提出する必要があります。

例)目的:短期滞在|商用
申請人/中国側:居住証、在職証明書等招へい機関等/日本側:滞在予定表、法人登記簿等

目的別の必要書類について、詳しくは外務省のホームページより「中国籍の方が短期滞在を目的として日本へ渡航する場合」をご覧ください。

就労・中長期滞在の必要書類

就労・中長期滞在(※3)を目的とした在留資格を申請する際は「在留資格認定証明書」が必要です。在留資格を申請する際の共通書類は以下の通りです。

※3 中長期滞在:90日を超えた滞在

【在留資格申請のための共通書類(就労・中長期滞在)】

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真 1葉(6ヶ月以内に撮影されたもの)
  • 返信用封筒(宛先明記、簡易書留用の額の切手)

就労・中長期滞在の目的は、日本企業の業務に従事、留学、家族を日本に呼び寄せるなど様々です。「在留資格認定証明書」の交付申請には、在留資格に応じた資料の提出を求められます。

例えば、家族を日本に呼び寄せる場合は、「家族滞在」の在留資格を申請する必要があり、「在留資格認定証明書」の交付を申請するには前述した共通書類の他に以下の書類が必要です。

例)目的:家族を呼び寄せる|在留資格(家族滞在)
・申請人と扶養者の関係を証する文書(戸籍謄本等)
・扶養者の在留カードまたは旅券の写し扶養者の職業及び収入を証する文書
(在職証明書、納税証明書等)

ちなみに、短期滞在の場合「在留資格認定証明書」は必要ありません。

在留資格に応じた必要書類について、詳しくは、出入国在留管理庁のホームページより「在留資格認定証明書交付申請書」をご確認ください。

中国人が日本でビザを申請する手順

中国人の方が日本でビザを申請する手順は、以下の4ステップです。

 【中国人の方が日本でビザを申請する手順】
 1.(日本側)身元保証人又は招へい人が必要書類を揃える
 2.(日本側)身元保証人又は招へい人が申請人に書類を送る  
 3.(中国で)申請人が必要書類を揃える
 4.(中国で)申請人が日本大使館等で申請する

1.(日本側)身元保証人又は招へい人が必要書類を揃える

まず、日本にいる身元保証人または招へい人が、必要書類を揃えます。必要書類は在留資格ごとに異なっており、申請人の目的に合った書類を揃えることが必要です。

「短期滞在」の必要書類は、外務省のホームページより「中国籍の方が短期滞在を目的として日本へ渡航する場合」をご確認ください。また、就労・中長期滞在を目的とした在留資格の必要書類は、出入国在留管理庁のホームページより「在留資格から探す」をご確認ください。

2.(日本側)申請人に書類を送る

書類が揃ったら、日本から申請人(中国籍の方)の住所へ送付しましょう。

3.(中国で)申請人が必要書類を揃える

申請人の方は、査証(ビザ)申請書、写真、パスポート、戸口簿写しのほか、在留資格に応じた書類を揃えます。

申請人が中国で揃える必要書類は、「短期滞在」の場合、前述した外務省のホームページより、目的別にご確認いただけます。就労・中長期滞在の必要書類は、出入国在留管理庁のホームページ「在留資格認定証明書交付申請」よりご確認ください。

4.(中国で)申請人が日本大使館等で申請する

申請人は、日本大使館、日本総領事館、または代理申請機関※4に書類を提出し、査証(ビザ)を申請します。審査に通れば査証(ビザ)が発給されます。

※4 代理申請機関:日本大使館または日本総領事館が指定する代理申請機関(旅行代理店)

ビザ申請の注意点

中国籍の方が日本で在留資格を申請する際の主な注意点は以下の3つです。

  1. 書類の不備や情報の誤りに注意する
  2. 期限切れにならないよう余裕を持って手続きを行う
  3. 実際の目的と申請内容が一致しているか確認する

以下に詳しくみていきましょう。

1.書類の不備や情報の誤りに注意する

必要書類の不備や情報の誤りには十分注意しましょう。申請には、在留資格ごとに定められた書類をすべて揃え、求められた情報を正しく記載することが必要です。

ひとつでも書類の漏れや誤った情報があると、追加書類の提出を求められることや、不認可となる場合があります。

2.期限切れにならないよう余裕をもって手続きを行う

短期滞在ビザ、及び在留資格認定証明書は、期限切れにならないよう余裕をもって申請手続きを行いましょう。短期滞在ビザと在留資格認定証明書には期限があり、有効期限は発行されてから3ヶ月です。

日本から申請人へ書類を送付する期間、中国で申請人が必要書類を準備する期間、また、査証(ビザ)審査期間などを考慮に入れ、手続きは早めに進めてください。

短期滞在ビザ、在留資格認定証明書は、どちらも期間延長はできません。3ヶ月以内に日本に入国しない場合、有効期限が切れ、再発行の手続きが必要となるため、注意が必要です。

実際の目的と申請内容が一致しているか確認する

実際の目的と在留資格の申請内容が一致しているかを確認しましょう。
たとえば、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手として活動する際は、在留資格「興行」を申請します。この場合、中国語が堪能という理由で、通訳業務に就くことはできません。

日本で就労する目的が通訳の場合は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請する必要があります。実際の目的と申請内容が一致していない場合、不許可となるため十分に気をつけましょう。

まとめ

本記事では、中国人の方が日本でビザを取得するためのポイントについて以下のことをお伝えしました。

  【本記事のまとめ】
 ●中国人が日本で取得できるビザは29種類
 就労可能な在留資格、就労不可の在留資格、就労の可否は個人による在留資格、 
 身分または地位による在留資格の4つに大きく分けられる。

 ●中国人が日本でビザを申請する条件と必要書類
 ・条件(目的に応じた在留資格の申請、上陸拒否事由に該当しない)
 ・必要書類(在留資格に応じた書類を揃える)

 ●中国人が日本でビザを申請する手順
 1.(日本側)必要書類を揃える
 2.(日本側)申請人に書類を送る
 3.(中国で)申請人が必要書類を揃える
 4.(中国で)申請人が日本大使館等で申請する

 ●ビザ申請時の注意点
 ・書類の不備、情報の誤りに注意
 ・期限切れにならないよう余裕を持って手続きを行う
 ・実際の目的と申請内容が一致しているか確認する

中国籍の方がビザを申請するには、日本での活動に応じた在留資格の申請が必須です。

活動内容と在留資格が一致していないと判断された場合や、書類の不備がある場合など、許可が下りないリスクが高まります。

もし、適切な在留資格が分からないといった不安をお持ちの場合は、在留資格申請の実績が豊富な行政書士に相談してください。

本記事が、安心して日本で暮らしたいと願う中国籍の方のお役に立てたら幸いです。

プロに頼ってみませんか?
ICEBERG行政書士事務所があなたをサポートします

    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    -->
    PAGE TOP