
外国人の家族や友人を日本へ呼び寄せたい、外国人の方を採用したいとお考えの方にとって、ビザ申請は避けては通れない手続きですよね。
しかし、「ビザ申請を自分で行いたいけど、何から始めればいいかわからない…」そんなふうにお悩みではありませんか?
本記事では、ビザ申請を自分で行うために知っておきたいメリット・デメリットや具体的なステップなどをわかりやすく解説します。
ビザ申請に関する疑問を解消し、不安なく手続きを進めたいとお考えの方はぜひ最後までご覧ください。
ビザ申請は自分でできる?

ビザ申請は、原則として外国人本人が行う手続きのため、自分で申請することが可能です。ビザを申請する際に必要な書類は、本人が用意するものの他に、招へい人(※)が用意しなければならない書類もあります。
※ 招へい人:来日を望んでいる外国人を呼び寄せたい人のこと
必要な書類をきちんと準備し手順に沿って手続きすることで、自分でビザ申請をすることができます。
なお、外務省では相談窓口も設けられているため、自分で申請する際は、外国人在留支援センター(FRECS/フレスク)外務省ビザ・インフォメーションを活用するのもおすすめです。
ただ、相談窓口は、必要書類や申請書の書き方など一般的なことは教えてくれますが、ビザが許可されるために個別のサポートをしてくれることはほとんどありません。そのため、外務省のホームページ内にある「ビザ(査証)」をしっかり読み、自身に合った書類を揃えることが必要です。
スムーズにビザを取得するため、自分で申請する場合は書類の記入漏れがないよう慎重に進めましょう。
自分でビザ申請するメリット・デメリット

自分でビザ申請をする際のメリットとデメリットについて解説いたします。
自分でビザ申請するメリット
自分でビザ申請する際のメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 専門家への委託費用がかからない
- 知識・経験がつき次回以降の手続きがスムーズになる
詳しくみていきましょう。
専門家への委託費用がかからない
自分でビザ申請をすると、行政書士など専門家への委託費用がかかりません。
ビザ申請の手続きを行政書士などの専門家に依頼した場合、費用は申請内容によっても変わりますが、数万円から十数万円になるケースがほとんどです。
自分でビザ申請すれば、委託費用が発生しないことは、大きなメリットといえるでしょう。
知識・経験がつき次回以降の手続きがスムーズになる
自分でビザを申請をすると、知識と経験がつき次回以降の手続きがスムーズになります。特に、外国人を採用したい企業の担当者の方にとって、ビザ申請の手続きは、一回で終わりではないでしょう。
ビザ申請を自分で行うことで、知識と経験がつき次回からの手続きをよりスムーズに行えるようになることがメリットの一つです。ちなみに、在留資格の更新や変更が必要になった際にも、手続きにストレスを感じることが少なくなるでしょう。
自分でビザ申請するデメリット
自分でビザ申請するデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 許可の可能性が下がるリスクがある
- 手続きに膨大な手間と時間がかかる
- 専門用語が難しく理解しづらい
それでは一つずつ詳しくみていきましょう。
許可の可能性が下がるリスクがある
ビザ申請の手続きは煩雑なため、自分で行うと許可が降りる可能性は低くなるといわれています。要件を十分に理解できていなかったり、必要書類に不備が見つかる場合があるためです。
きちんと揃っていれば許可が降りるケースでも、書類ひとつで不許可になる場合があります。このように、自分ですると許可の可能性が下がるリスクがあることはデメリットといえます。
手続きに膨大な手間と時間がかかる
自分でビザ申請をするデメリットの2つ目は、手続きに膨大な手間と時間がかかることです。適したビザの種類や必要書類、申請時期など、すべてを自分で調べる必要があります。
また、必要な書類は一律に決まっているわけではありません。資格の種類や個々の状況に応じて揃える書類が異なります。そのため、自分に必要な書類を漏れなく揃えることも、決して簡単ではありません。さらに、書類によっては市役所へ出向かなければ揃えられないものもあります。
このように、自分でビザ申請をすると非常に手間と時間がかかってしまうのです。
専門用語が難しく理解しづらい
3つ目のデメリットは、ビザ申請に使われる専門用語が難しく理解しづらい点です。外国人本人が自分でビザ申請をする場合、専門用語が多く内容も煩雑なため、正しく理解するのは容易なことではないでしょう。
また、招へい人が準備する必要書類に関しても、細かな要件や資格内容を正しく把握するのは、かなり困難です。
専門用語を理解しないまま書類を提出した場合、要件を満たせているのかの判断すら難しいケースもあるため不許可になる確率が高まります。
自分でビザ申請する手続き
自分でビザを申請する場合の一般的な手続きの流れを紹介します。
【自分でビザ申請する手続き】
| STEP1.準備 |
| 招へい人及び身元保証人が、必要書類を準備する |
ビザ申請に必要な書類は、入国の目的や国籍などによって異なります。
詳しくは、外務省のホームページより「ビザ(査証)」のページをご覧ください。
| STEP2.郵送 |
| 招へい人及び身元保証人が、揃えた必要書類を外国人本人に郵送する |
| STEP3.申請 |
| 外国人本人が、書類を在外公館の申請窓口に提出しビザ申請を行う |
ビザ申請者は、届いた書類を持ってお住まいの日本大使館・総領事館・領事事務所などの申請窓口へ出向き、書類を提出し申請します。
なお、ビザ申請の手続きは日本国内では行えません。
| STEP4.審査 |
| 在外公館で審査が行われる |
在外公館での審査にかかる期間は、何も問題ない場合1週間ほどです。しかし、書類に不備があると1ヶ月以上かかることもあるため、書類の準備は慎重に行いましょう。
| STEP5.ビザ発給 |
| 審査結果の通知が在外公館から本人へ届く |
通知が届いたら在外公館へ出向き、預けていたパスポートとビザを受け取ります。
自分でビザ申請する具体的な手順

自分でビザ申請をする具体的な手順は、目的によって以下の3つに分類されています。
- 短期滞在ピザ
- 就労・長期滞在ビザ
- 医療滞在ビザ
それぞれ詳しくみていきましょう。
短期滞在ビザ手続き
観光や親族訪問など収入を伴わない90日以内の滞在の場合、短期滞在ビザの手続きが必要です。
【短期滞在ビザ申請の手順】
| 【手順1】 ビザ申請人(本人):パスポート、ビザ申請書、写真、その他必要書類を準備する。 招へい人:招へい理由書、滞在予定表などを準備する。 【手順2】 招へい人:必要書類が揃ったら、ビザ申請人(本人)へ送付する。 【手順3】 ビザ申請人(本人):居住地の日本大使館又は総領事館に書類を提出し、ビザを申請する。 【手順4】 ビザ申請人(本人):審査修了の通知を受け取ったら、日本大使館または総領事館へ出向き、ビザを発給してもらう。 【手順5】 ビザ申請人(本人):ビザ有効期間の3ヶ月以内に日本に入国する。 |
必要書類は、ビザ申請人の国籍や申請の目的によって異なります。詳しくは、外務省のホームページより「ビザ(査証):短期滞在」をご確認ください。
就労・長期滞在ビザ手続き
日本で働く場合や留学、日本人の配偶者がいる場合等、就労・長期滞在ビザの手続きが必要です。
【就労・長期滞在ビザ申請の手順】
| 【手順1】 ビザ申請人(本人):パスポート、ビザ申請書、写真、その他必要書類を準備する。 招へい人:地方出入国管理局へ「在留資格認定証明書」交付を申請する。 【手順2】 招へい人:交付された「在留資格認定証明書」を、ビザ申請人(本人)へ送付する。 【手順3】 ビザ申請人(本人):居住地の日本大使館又は総領事館に書類を提出し、ビザを申請する。 【手順4】 ビザ申請人(本人):審査修了の通知を受け取ったら、日本大使館または総領事館へ出向き、ビザを発給してもらう。 【手順5】 ビザ申請人(本人):ビザ有効期間の3ヶ月以内に日本に入国する。 |
該当する職業や必要書類など、詳しくは外務省のホームページより「就労や長期滞在を目的とする場合」をご覧ください。
医療滞在ビザ手続き
医療滞在ビザの手続きが必要なのは、治療、人間ドック、温泉湯治などの療養が目的で来日される方です。
【医療滞在ビザ申請の手順】
| 【手順1】 ビザ申請人(本人):身元保証機関(※)を確認のうえ日本の受け入れ医療機関を決め「医療機関による受診等予定証明書及び身元保証機関による身元保証書」を受け取る。 ※身元保証機関のリスト1(登録医療コーディネーター等) 身元保証機関のリスト2(登録旅行会社)のリスト) 【手順2】 ビザ申請人(本人):パスポート、ビザ申請書、写真、その他必要書類を準備する。 【手順3】 ビザ申請人(本人):居住地の日本大使館又は総領事館に書類を提出し、ビザを申請する。 【手順4】 ビザ申請人(本人):審査修了の通知を受け取ったら、日本大使館または総領事館へ出向き、ビザを発給してもらう。 【手順5】 ビザ申請人(本人):ビザ有効期間内に日本に入国する。(必要に応じ3年:ビザ申請者本人の症状等で異なる) |
同伴者や必要書類など、詳しくは外務省のホームページより「医療滞在ビザを申請される外国人患者等の皆様へ」をご覧ください。
よくある質問と解決策

以下に、外国人の方のビザ申請について、よくある質問と解決策をまとめたのでご確認ください。
Q1:ビザの申請をしてから許可が下りるまで、何日くらいかかりますか?
A1:提出した書類に何も問題なければ、1週間ほどです。しかし、不備がある場合、1ヶ月以上かかるケースもあります。
Q2:ビザを申請する際、外国人本人が日本大使館や総領事館へ行く必要はありますか?
A2:原則として、ビザ申請人本人が日本大使館または総領事館へ出向いて申請しますが、他にも次のような方法があります。
- 日本大使館または総領事館が承認した代理人
- 日本大使館または総領事館が承認した代理申請機関
- オンライン申請
※上記の方法は、各国地域によって認められない場合もありますので、お住まいの大使館または総領事館で事前にご確認ください。
Q3:外国人を日本に呼びたいのですが、どのような手続きが必要ですか?
A3:外国人の方の目的が短期滞在の場合、招へい理由書と滞在予定表が必要です。また、目的が長期滞在の場合は、まず出入国在留管理局で「在留資格認定証明書」の交付を申請する手続きを行ってください。
外国人の方の国籍や状況により、その他の必要書類が異なりますので、詳しくは外務省のホームページより「ビザ(査証)」をご覧ください。
Q4:ビザ申請を自分でするのと専門家に依頼するのではどちらが早く発行できますか?
A4:ビザ申請を自分でするのと専門家に依頼するのでは、専門家に任せる方が早く発行できる傾向にあります。その理由は、自分でビザを申請する場合、必要書類を揃えたり資料を作成するなど慣れない作業に時間がかかるからです。
さらに、書類に不備がある場合は外務省の審査にも時間がかかるでしょう。一方、行政書士などの専門家に依頼すれば、申請までの事務処理がスムーズです。
許可が降りやすい書類の書き方も熟知しているため、ビザを取得する時間が短縮される可能性は高まります。
専門家のサポートを上手に利用する方法

行政書士などの専門家のサポートを上手に利用する方法は、主に以下の2つです。
- ビザ申請の無料相談を活用する
- 専門家の得意分野とビザを申請する目的が合っている所を選ぶ
以下にそれぞれ詳しく解説します。
専門家のサポートを活用することで、時間や手間を節約でき不許可のリスクも減らせるため、ぜひチェックしてください。
ビザ申請の無料相談を活用する
行政書士などの専門家のサポートを上手に利用するには、無料相談を活用するのがおすすめです。行政書士の中には、無料相談を受け付けているところがあります。まずは、専門家の無料相談を活用し、ご自身の状況や希望を伝え、どのようなサポートが受けられるのかを把握しましょう。
また、行政書士のサポートを上手に利用するためには、オンラインでの無料相談は可能か、土日も相談できるかなどもあらかじめ確認しておきましょう。
専門家の得意分野とビザを申請する目的が合っている所を選ぶ
専門家の得意分野とビザを申請するご自身の目的がピッタリ合っている所を選ぶことも、サポートを上手に活用するポイントです。
ひと口に行政書士といっても、許認可申請、契約書作成など得意分野はそれぞれ違います。そのため、専門家のサポートを上手に利用するためには、ビザ申請が得意な専門家を選ぶことが重要です。
まとめ:自分でするビザ申請は細心の注意をはらいましょう

本記事では、ビザ申請を自分でする際のポイントについて解説しました。
| ●ビザ申請の手続きは自分でできる ●自分でビザ申請するメリット ・専門家への委託費用がかからない ・知識・経験がつき次回以降の手続きがスムーズになる ●自分でビザ申請するデメリット ・許可の可能性が下がるリスクがある ・手続きに膨大な手間と時間がかかる ・専門用語が難しく理解しづらい ●自分でビザ申請する手続き(準備→郵送→申請→審査→ビザ発給) ●自分でビザ申請する具体的な手順(短期滞在ビザ、就労・長期滞在ビザ、医療滞在ビザにより手順が異なる) ●専門家のサポートを上手に利用する方法 ・ビザ申請の無料相談を活用する ・専門家の得意分野とビザを申請する目的が合っている所を選ぶ |
ビザ申請は複雑ですが、手続きを慎重に進められれば自分で申請することも可能です。しかし、専門家のサポートを利用すれば、必要な時間や労力が減ることはもちろん、不許可のリスクを大幅に減らせるでしょう。
本記事が、自分でビザ申請をしたいとお考えの方に少しでもお役に立てたら幸いです。
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