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ICEBERG行政書士事務所

在留資格・ビザ

留学生の就職ビザ変更はいつから?申請時期と手続きの流れを解説

留学生が日本で就職する場合、在留資格を「留学」から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
内定をもらっても、「就職ビザへの変更申請をいつから始めればよいのか」「卒業前に申請できるのか」「入社日に間に合うのか」など、迷う場面は多いでしょう。

就職ビザへの変更申請は、就職先や仕事内容、雇用条件などが決まった段階で準備を進めるのが基本です。4月入社や10月入社を予定している場合、申請のタイミングが遅れると、入社日までに在留資格の変更が間に合わない可能性があります。

この記事では、留学生の就職ビザ変更はいつから申請できるのか、手続きの流れや注意点について解説します。

この記事でわかること

  • 留学生のビザ変更を「いつから」申請できるのか(最短の開始時期)
  • 4月入社・10月入社に間に合わせる逆算スケジュール
  • 「技術・人文知識・国際業務」への変更で見られる審査基準
  • 本人・会社それぞれが用意する必要書類の分担
  • 内定取り消し・転職・卒業できなかった場合などのイレギュラー対応

留学生のビザ変更はいつから申請できる?

留学生が「留学」から就労系の在留資格へ変更する申請は、就職先や職務内容が具体的に決まった段階から行うことができます。
4月入社を予定している場合は、卒業前年の12月1日から1月末までに申請するのが実務上の目安とされています。ただし、これはあくまで目安のため、正式な内定や雇用契約がある場合は、卒業時期にかかわらず申請自体は可能です。

申請開始の目安は卒業前年の12月から

3月卒業・4月入社を予定している場合は、卒業前年の12月1日から1月末ごろを目安に申請するようにしましょう。

4月入社の留学生は申請が集中しやすく、書類不備や申請の遅れによって、入社日までに審査が終わらない可能性があります。企業側の書類準備に時間がかかることもあるため、内定後は早めに必要書類を確認しておきましょう。

詳細は、出入国在留管理庁の公式サイトで確認することをおすすめします。

内定確定が申請の前提になる理由

在留資格変更の審査では、「どの会社で、どのような仕事をするのか」が重要な判断材料になります。そのため、就職ビザへの変更申請は、雇用契約または正式な採用内定が確定していることが前提です。
就職先が決まっていない段階では、就労ビザへの変更申請はできません。卒業後も就職活動を続ける場合は、「特定活動(就職活動継続)」など別の在留資格を検討することになります。

また、口頭での内々定だけでは、申請に必要な書類がそろわない場合があります。申請を進める際は、企業に正式な採用内定通知書や雇用契約書、仕事内容や給与条件が分かる資料を早めに発行してもらいましょう。

留学生の就職ビザ変更にかかる期間と申請スケジュール

就職ビザへの変更申請は、入社日から逆算して早めに準備することが大切です。
在留資格変更許可申請は、出入国在留管理庁の案内では標準処理期間が1か月〜2か月とされています。ただし、実務上は2週間〜1か月程度で結果が出るケースもあり、申請内容や混雑状況によって変わります。

特に1月〜3月は、4月入社を予定する留学生の申請が集中しやすい時期です。書類に不備がある場合や追加資料を求められた場合は、2か月以上かかることもあるため、入社日ぎりぎりの申請は避けましょう。

申請から許可までの標準処理期間

在留資格変更許可申請の処理期間は、おおむね1~2か月程度です。

スムーズに審査が進めば2週間〜1か月程度で結果が出ることもありますが、書類の不備や追加資料の求めがあると長引く場合があります。また、許可時には、在留資格変更許可申請の手数料として4,000円の収入印紙が必要です。

項目目安
申請受付開始卒業前年の12月から
標準処理期間約2週間〜1か月
追加資料がある場合2か月以上かかることも
手数料(許可時)4,000円(収入印紙)

4月入社・10月入社別のタイムライン例

4月入社を予定している場合は、卒業前年の12月〜翌年1月末までに申請するのが目安です。

出入国在留管理庁も、4月から就労開始を希望する留学生については、12月1日から1月末までの申請を案内しています。2月・3月に申請がずれ込むと、審査の混雑や追加資料の対応により、入社日に間に合わない可能性があるためです。10月入社の場合は、6月〜7月ごろに申請する流れが目安です。

いずれも、入社予定日から逆算して準備しましょう。

時期4月入社の場合10月入社の場合
内定獲得・書類準備前年10〜11月当年4〜5月
申請前年12月〜当年1月当年6〜7月
許可取得当年2〜3月当年8〜9月

企業側の準備も重要に

就職ビザの変更申請では、留学生本人の書類だけでなく、内定先企業が用意する資料も必要です。
雇用契約書や採用理由書、会社概要、決算書類など、企業側で準備する書類があります。企業が外国人採用に慣れていない場合、書類の準備に時間がかかることもあります。

そのため、内定が決まったら、留学生本人だけでなく企業側にも早めに必要書類を共有しておきましょう。申請書類がそろうまでに時間がかかると、申請時期そのものが遅れてしまいます。

入社日が決まっている場合は、遅くとも入社予定日の2〜3か月前には申請準備を始めておくと安心です。

「技術・人文知識・国際業務」への変更で見られる審査基準

留学生が日本で就職する場合、変更先として多いのが「技術・人文知識・国際業務」の在留資格です。そのため、ここでは「技術・人文知識・国際業務」への変更を前提に、審査で見られるポイントを解説します。

審査では、単に内定があるかどうかだけでなく、本人の学歴や専攻内容、就職先での職務内容、給与水準、企業の安定性などが確認されます。

専攻と職務内容の関連性

この在留資格で最も重視されるのが、大学・専門学校での専攻内容と、就職先での職務内容の関連性です。学んだことを「技術・人文知識・国際業務」では、学校で学んだ内容と、就職先で行う業務に関連性があるかが重要です。

たとえば、情報工学を専攻した留学生がシステムエンジニアとして働く場合は、専攻と職務内容の関連性を説明しやすいケースです。一方で、文系学部出身者が技術職に就く場合や、専門学校卒業者が専攻と異なる職種に就く場合は、関連性の説明が難しくなることがあります。

特に注意したいのは、以下のようなケースです。

・文系学部出身者が技術職に就くケース
・専門学校卒で、専攻と職務内容の関連性が弱いケース
・「国際業務」として申請するものの、実際には通訳・翻訳などの業務が少ないケース
・ホテルや飲食店などで、接客・配膳・清掃が中心と判断されるケース

境界事例では、履修科目と職務内容のつながりを具体的に説明する必要があります。具体的には、経済学部出身者が商社の海外営業職に就く場合であれば、「国際経済学」「マーケティング論」「貿易実務」などの履修内容が、海外取引や市場調査、取引先対応にどう関係するのかを示すなどです。

学歴・職歴要件と企業側の条件

申請者本人の学歴に加え、受け入れる企業側も審査されます。主な要件は次のとおりです。

審査の視点内容
学歴要件大学・専門学校卒業、ま大学や専門学校で関連分野を学んでいること、または関連する実務経験があること
職務内容専門知識を要する業務であること(単純労働は不可)
報酬日本人と同等以上の給与水準であること
企業の安定性事業の継続性・規模(決算書等で確認)

技人国の在留資格は、接客、清掃、製造ライン作業などの単純労働が業務である場合、原則として許可されません。また、給与水準も見落としやすいポイントです。同じ職種の日本人社員より明らかに低い給与設定になっている場合、不許可の要因になる可能性があります。

企業側についても、設立直後の会社や赤字が続いている会社では、事業の安定性について追加資料を求められることがあります。就職先の業務内容や会社の状況に不安がある場合は、申請前に確認しておきましょう。

申請に必要な書類と準備の分担(本人・会社別)

就職ビザへの変更申請では、留学生本人が用意する書類と、受入企業が用意する書類があります。

書類の準備が遅れると申請時期も遅れてしまうため、内定が決まったら、本人・企業それぞれが何を準備すべきかきちんと確認しましょう。

留学生本人が用意する書類

留学生本人が用意する主な書類は、以下のとおりです。

  • 在留資格変更許可申請書
  • パスポート
  • 在留カード
  • 証明写真
  • 卒業証明書または卒業見込証明書
  • 成績証明書
  • 履歴書

パスポートや在留カードは、申請時に提示が必要です。証明写真は、縦4cm×横3cmのものを用意します。また、卒業前に申請する場合は、卒業証明書の代わりに卒業見込証明書を提出します。卒業後に卒業証明書を追加で提出する流れになることが一般的です。

受入企業が用意する書類

受入企業が用意する主な書類は、以下のとおりです。

  • 雇用契約書または採用内定通知書の写し
  • 会社の登記事項証明書
  • 直近年度の決算文書の写し
  • 会社案内・事業内容を示す資料
  • 職務内容を説明する書類
  • 採用理由書

企業のカテゴリーによって必要書類が変わる

就職ビザの変更申請では、受入企業の規模や状況によって、必要書類が変わります。
企業はカテゴリー1〜4に区分されており、上場企業や一定規模以上の企業では、提出書類が簡略化される場合があります。

一方で、設立して間もない企業や中小企業では、会社の事業内容や安定性を示す資料が必要となるケースが多いです。たとえば、決算書類、会社案内、事業内容を説明する資料、給与支払事務所の届出書の写しなどがが求められます。

判断が難しい場合や、必要書類に不安がある場合は、ぜひ早めに行政書士へ相談してください。なお、詳細は出入国在留管理庁の公式サイトで確認できます。

内定変更や卒業延期があった場合の対応

就職ビザへの変更申請では、内定先の変更や卒業延期など、予定どおりに進まないケースもあります。こうした状況では、申請の不許可や在留資格の取消しにつながる恐れがあります。状況によって対応が変わるため、早めに入管や行政書士へ相談することが大切です。

内定取り消し・転職・複数内定の場合

申請後・許可後に状況が変わった場合の扱いは、特に注意が必要です。

  • 申請中に内定が変わった場合
    一度申請を取り下げ、新しい就職先の内容で申請し直します。
  • 許可後に入社しなかった場合
    許可された在留資格に該当する活動を行っていない状態になります。すぐに在留資格が取り消されるとは限りませんが、一定期間活動がない場合は、在留資格の取消し対象になる可能性があります。
  • 複数社から内定をもらっている場合
    実際に就労する1社の内容で申請します。許可後に別の会社へ就職・転職する可能性がある場合は、就労資格証明書の取得を検討すると安心です。

内定先の変更や転職は、会社名が変わるだけでなく、職務内容や雇用条件も変わることがあります。そのため、元の申請内容のままで問題ないかを自己判断せず、早めに行政書士へ相談しましょう。

卒業できなかった・単位不足が判明した場合

卒業見込みで申請したものの、単位不足で卒業できなかったケースの対応は次のとおりです。

  • 卒業できなかった場合:
    大学や専門学校の卒業を前提に審査されるケースでは、就職ビザの許可を得ることが難しくなります。
  • すでに申請している場合:
    速やかに事情を申告し、申請の取り下げや在留資格の見直しを検討します。
  • 留学を継続できる場合:
    「留学」の在留資格のまま在学を続け、卒業後に改めて就職ビザへの変更申請を行う流れになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 卒業前でも申請できますか?

はい、卒業前でも申請できます。4月入社予定の留学生については、出入国在留管理庁が卒業前年の12月1日から1月末までの申請を案内しています。卒業前に申請する場合は、卒業見込証明書を提出し、卒業後に卒業証明書を追加で提出するのが一般的です。

Q2. アルバイトはいつまで続けられますか?

「留学」の在留資格があり、資格外活動許可を受けている間は、許可の範囲内でアルバイトができます。ただし、就労ビザへの変更が許可されると、就労ビザの活動範囲に切り替わります。変更後は、原則として「留学」の資格外活動許可の枠では働けないため、副業やアルバイトを続けたい場合は注意が必要です。

Q3. 申請中に在留期限が切れたらどうなりますか?

在留期限内に在留資格変更許可申請が受理されていれば、在留期限の満了日から最大2か月の特例期間までは、適法に在留できます。ただし、期限を過ぎてから申請することはできません。必ず在留期限が切れる前に申請しましょう。

Q4. 専門学校卒でも就労ビザは取れますか?

取得可能です。ただし大学卒より専攻と職務の関連性が厳格に見られます。理由書での丁寧な説明が重要になります。なお、専門学校卒の場合は、専攻と職務内容の関連性が具体的に見られやすくなります。「専門士」または「高度専門士」の称号が付与されていることが重要です。

Q5. 不許可になったら日本にいられなくなりますか?

すぐに退去となるわけではありませんが、在留期限や状況により対応が異なります。再申請できる場合もあれば、別の在留資格への変更や帰国準備を検討しなければならない場合もあるでしょう。自己判断で動かず、早めに行政書士へ相談することをおすすめします。

Q6. 入社日が決まっていないと申請できませんか?

入社日が完全に決まっていなくても、雇用契約や正式な内定が確定していれば申請できる場合があります。ただし、申請書類では就労開始時期の見込みを記載が必要となります。

Q7. 申請は自分で行えますか、それとも会社が行うのですか?

申請は原則として本人が行いますが、企業の担当者や行政書士が取次申請を行うこともできます。外国人採用に慣れた企業では人事担当者が手続きをサポートしてくれる場合もあるので、内定先に確認してみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、留学生が「留学」から就労系の在留資格へ変更する際の申請時期や手続きの流れ、審査で見られるポイントについて解説しました。

留学生の就職ビザ変更では、申請時期と書類準備の進め方が重要になります。特に注意したいポイントは、以下のとおりです。

・卒業前でも、卒業見込証明書を使って申請できる
・申請には、正式な内定または雇用契約が必要になる
・専攻と職務内容の関連性が審査で確認される
・専門学校卒や職務内容がグレーな場合は、説明資料が重要になる
・申請後に内定先や卒業予定が変わった場合は、自己判断で進めない

就職ビザの申請は、内定先の業務内容や企業の状況によって必要な説明・書類が変わります。入社日までに間に合うか不安な場合や、自分のケースで許可が下りるか判断が難しい場合は、早めに行政書士へ相談しましょう。

本記事が、申請時期や必要書類を確認する際の参考になりましたら幸いです。

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配偶者ビザの更新を忘れた場合の手続きとは?対処法を行政書士が解説

配偶者ビザの更新期限を超過して日本に滞在することは、オーバーステイという違法行為にあたります。もしオーバーステイをしてしまったら今後の夫婦や家族での暮らしにどのような影響があるのかと、不安に感じる方も多いでしょう。

更新を忘れて在留期限が過ぎてしまった場合は、できるだけ早く入管へ相談・出頭することが重要です。ただし、期限が過ぎてしまった場合でも、すぐに正しく対応することで、状況に応じた手続きを進められる可能性があります。

この記事では、配偶者ビザの更新を忘れた場合にまず取るべき対応や、経過日数ごとの注意点、今後の在留への影響についてわかりやすく解説します。

配偶者ビザの更新を忘れた…まず最初にやるべきこと【緊急対応】

配偶者ビザ(正式には「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」という在留資格)の更新を忘れてしまった場合は、地方出入国在留管理局(入管)へ直ちに相談してください。時間が経つほど状況は不利になります。

在留期限が切れた瞬間に「不法残留」になる仕組み

在留期限とは、在留カードに記載されている「在留期間の満了日」のことです。この満了日を過ぎると、原則として翌日から不法残留の状態になります。不法残留は、出入国管理及び難民認定法上の違反にあたるものです。

たとえ故意でなくても、法律上は不法残留はという違反行為にあたります。ただし、更新を忘れた理由や、期限切れに気づいた後の対応によって、その後の判断が変わる場合もあります。

「期限が切れたらすぐに強制送還されるのではないか」と不安になり、入管への相談を避けてしまう方もいます。しかし、隠れたり放置したりすると、かえって不利に判断される可能性が高いです。

また、不法残留の状態が続くと、就労の継続が問題になるだけでなく、銀行口座や運転免許の更新、各種行政手続きなどで支障が出ることもあります。生活への影響が大きくなる前に、できるだけ早く入管へ相談・出頭することが大切です。

何日経過していても、まず入管へ出頭・相談する

在留資格の更新忘れに気づいたら、経過日数にかかわらず、放置せず速やかに地方出入国在留管理局(入管)へ相談・出頭する必要があります。在留期限が過ぎた状態をそのままにしても、不法残留の状態が解消されることはありません。自ら出頭し、期限を過ぎてしまった事情を正直に説明することが、その後の手続きにおいて重要になります。

ただし、入管へ出頭しただけで、ただちに不法残留の状態が解消されるわけではありません。今後も日本での生活を希望する場合は、経過日数や婚姻状況、生活実態などに応じて、適切な手続きを進める必要があります。

また、期限切れから時間が経っている場合や、別居・離婚協議中など事情が複雑な場合は、出頭前に行政書士などの専門家へ相談しましょう。必要書類や事情説明の内容を整理したうえで対応することで、不利な説明や書類不足を防ぎやすくなります。

最寄りの入管や手続きの詳細は、出入国在留管理庁の公式サイトで確認できます。

経過日数別・対応の目安

取るべき対応は在留期限を過ぎてからの経過日数によって変わります。ただし、「数日以内なら必ず大丈夫」「1ヶ月を過ぎたら必ず不許可になる」といった明確な線引きがあるわけではありません。実際の判断は、経過日数だけでなく、更新を忘れた理由、気づいてからの対応、婚姻の実態、日本での生活状況などを踏まえて個別に行われます。

※以下は、あくまで一般的な対応の目安です

経過日数想定される対応注意点
当日〜数日速やかに入管へ相談・出頭し、期限を過ぎた事情を説明する短期間でも不法残留の状態になるため、自己判断で放置しない
数週間〜1ヶ月程度理由書などを用意し、更新を忘れた経緯や気づいてからの対応を丁寧に説明する事情説明の内容や裏づけ資料が重要になる
数ヶ月以上在留特別許可や出国命令制度の対象になり得るため、個別判断が必要通常の更新手続きだけで済むとは限らないため、専門家への相談が望ましい

期限当日〜数日以内のケース

在留期限が過ぎてから数日以内に更新忘れに気づいた場合でも、まずは速やかに入管へ相談・出頭する必要があります。短期間であっても不法残留であることに変わりはないため、自己判断で放置してはいけません。

この段階で重要なのは、期限を過ぎてしまった事情を正確に説明することです。慌てて不正確な説明をしたり、事実と異なる内容を伝えたりすると、かえって不利になる可能性があります。気づいてからすぐに対応したこと、更新を忘れた理由、今後も配偶者と日本で生活を続けたい事情などを整理し、誠実に説明できるよう準備しましょう。

数週間〜1ヶ月程度経過しているケース

在留期限から数週間〜1ヶ月程度経過している場合は、期限を過ぎた理由や、気づいてからの対応をより丁寧に説明する必要があります。病気・出産・家族の事情など、やむを得ない事情がある場合は、理由書に具体的に記載し、診断書や母子手帳の写しなど、事情を裏づける資料を添えることも検討しましょう。

経過日数や個別事情によって対応が変わるため、書類の準備や事情説明に不安がある場合は、行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

数ヶ月以上経過しているケース

在留期限から数ヶ月以上経過している場合は、不法残留の状態が長期化しているため、通常の更新手続きだけで解決できないことがあります。この場合、在留特別許可や出国命令制度の対象になり得るため、個別の事情に応じた慎重な判断が必要です。

在留特別許可では、在留を希望する理由、家族関係、素行、日本での生活状況、在留期間などが総合的に考慮されます。特に配偶者ビザの場合は、配偶者との婚姻実態、同居状況、子どもの有無、日本での生活基盤などが判断材料になり得ます。

一方で、期限切れの期間が長い場合や、婚姻の実態が乏しい場合、他に不利な事情がある場合は、より慎重な判断が行われるでしょう。速やかに行政書士などの専門家へ相談し、必要書類や説明内容を整理したうえで対応してください。

更新忘れで問われる罰則と退去強制のリスク

不法残留は入管法上の違反にあたり、退去強制の対象となる可能性があります。また、不法残留には刑事罰の定めもあります。ただし、必ず前科がついたり、すぐに強制送還されたりするわけではありません。

実際の対応は、在留期限を過ぎた経緯、経過日数、出頭の有無、婚姻の実態、日本での生活状況などを踏まえて個別に判断されます。

退去強制・出国命令制度・在留特別許可とは

不法残留となった場合に関係する制度として、退去強制、出国命令制度、在留特別許可があります。それぞれの概要は以下のとおりです。

制度内容再入国への影響
退去強制入管法違反がある場合に、国外退去となる原則として退去強制された日から5年間、過去に退去強制や出国命令を受けたことがある場合は10年間、日本に上陸できなくなる
出国命令制度一定一定の要件を満たす不法残留者が、自発的な出頭を前提に、収容されず簡易な手続きで出国できる原則として出国した日から1年間、日本に上陸できなくなる
在留特別許可退去強制事由がある場合でも、個別事情を踏まえて特別に在留を認める許可されれば日本での在留継続が可能になる

出国命令制度は、不法残留者であれば誰でも利用できる制度ではありません。自ら出頭したこと、不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと、過去に退去強制や出国命令を受けていないことなど、複数の要件を満たす必要があります。また、出国命令制度は日本から出国することを前提とした制度です。配偶者ビザで今後も日本で夫婦生活を続けたい場合は、在留特別許可が中心的な論点になります。

どの制度が関係するかは、婚姻の実態、生活状況、経過日数、過去の在留状況などによって異なるため、専門家に相談しながら慎重に対応することが大切です。

詳細は出入国在留管理庁で確認できます。

期限切れ後の対応が判断に影響する理由

入管での判断では、在留期限を過ぎた理由だけでなく、期限切れに気づいた後の対応も判断材料になります。たとえば、病気、出産、家族の事情など、やむを得ない事情があった場合は、その内容を理由書で丁寧に説明し、診断書や母子手帳の写しなどの裏づけ資料を添えることが有効です。

一方で、期限切れに気づいていながら長期間放置していた場合や、事実と異なる説明をした場合は、不利に判断される可能性があります。更新を忘れてしまった場合は、期限を過ぎた理由、気づいてからの対応、配偶者との婚姻実態、日本で生活を続けたい事情を整理し、正確に説明できるよう準備しましょう。

期限切れ後の手続きの流れと必要書類

配偶者ビザ更新の基本的な必要書類は以下のとおりです。期限切れの場合は、これに加えて理由書が重要になります。

書類備考
在留期間更新許可申請書入管所定の様式を使用する
パスポート・在留カード原本を提示する
戸籍謄本・住民票日本人配偶者との婚姻関係・同居状況や世帯の状況を確認する資料
配偶者の住民税課税証明書等世帯の収入や納税状況を確認する資料
身元保証書日本人配偶者などが身元保証人となる書類
理由書(疎明書)期限を過ぎた理由や、気づいてからの対応を説明する資料

理由書・事情説明書に書くべき内容

理由書とは、なぜ更新を忘れたのかを説明し、誠実に在留を続けたい意思を伝える書面です。
主に記載する内容は、次のとおりです。

  • 更新を忘れた具体的な経緯
  • 期限切れに気づいた時期
  • 気づいてからすぐ入管へ相談・出頭したこと
  • 病気や出産など、やむを得ない事情がある場合はその内容
  • 配偶者との婚姻実態
  • 今後も日本で夫婦生活を続けたい事情

事実関係を時系列で整理し、正確に説明することが重要です。書き方に不安がある場合や、どこまで事情を説明すべきか迷う場合は、行政書士に相談することをおすすめします。

配偶者の就労・出産・別居が絡む場合の注意点

期限切れに加えて、就労・出産・別居などの事情がある場合は、通常の更新忘れよりも慎重な対応が必要です。
たとえば、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 外国人配偶者が就労している
  • 出産間近・育児中で本人が入管に出向きにくい
  • 夫婦が別居している
  • 離婚協議中である
  • 収入や生計状況に不安がある

特に別居・離婚が絡むと、更新忘れである以前に、配偶者ビザの資格該当性(その在留資格に当てはまるか)そのものが問われます。そのほかも、個々の状況によって判断が異なるため注意が必要です。

よくある間違い・更新忘れの落とし穴

配偶者ビザの更新忘れは、単に「日付を見落とした」というだけでなく、複数の事情が重なって起こることがあります。ここでは、よくある間違いと再発を防ぐためのポイントを整理します。

更新手続きを直前まで後回しにしてしまう

在留期間更新許可申請は、在留期間満了のおおむね3か月前から行うことができます。仕事や家庭の事情で書類準備が遅れ、結果として更新を忘れてしまうこともあるでしょう。

配偶者ビザの更新では、戸籍謄本、住民票、課税証明書・納税証明書など、市区町村で取得する書類も必要です。万が一に備え、余裕をもって準備を始めることが大切です。

住所変更と在留期間の更新を混同してしまう

在留カードの住所変更と、在留期間の更新は別の手続きです。住所変更の届出を済ませていても、在留期間が自動で延長されるわけではありません。

引っ越しや結婚後の住所変更をしたことで手続きを済ませたと認識し、在留期間の満了日を見落としてしまうケースもあります。在留カードの表面に記載されている在留期間の満了日は、必ず別途確認しましょう。

別居・離婚協議などの事情を軽く考えてしまう

配偶者ビザは、実態のある婚姻関係を前提とする在留資格です。そのため、別居や離婚協議中などの事情がある場合は、単なる更新忘れにとどまらず、配偶者ビザの資格該当性そのものが問題になることがあります。

再入国許可・みなし再入国許可を確認していない

日本を一時的に出国する場合でも、再入国許可またはみなし再入国許可の確認が必要です。必要な手続きをせずに出国した場合、現在の在留資格で日本に戻れなくなることがあります。短期間の出国であっても、出国前に再入国の手続きや期限を確認しておきましょう。

不法滞在は今後の永住・帰化に影響する?

在留期限を過ぎて不法残留の状態になった場合、今後の在留資格更新や永住申請、帰化申請に影響する可能性があります。特に永住許可では、「素行が善良であること」が要件のひとつです。過去に不法残留の期間があると、法令を守って在留していたかという点で、審査上マイナスに見られる可能性があります。

ただし、期限切れに気づいてすぐに対応し、その後は適法に在留を続けている場合など、事情によって評価は変わります。影響の有無や程度は、経過日数、対応の早さ、その後の在留状況などによって異なるため、永住や帰化を考えている場合は、早めに行政書士へ相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 期限が1日過ぎただけでも不法滞在ですか?

法律上は1日でも過ぎれば不法残留にあたります。ただし、すぐに出頭・申請すれば更新が認められるケースもあります。速やかに対応してください。

Q2. 自分で手続きできますか?それとも行政書士に頼むべきですか?

特に、長期間経過している・別居や就労が絡むなど複雑な場合は、専門家への依頼をおすすめします。

Q3. 出産間近で入管に行けません。どうすればよいですか?

本人が出向けない事情がある場合は、その事情自体が理由書に書ける重要な要素です。代理での相談も可能ですので、まずは行政書士にご相談ください。

Q4. 更新忘れで罰金や前科がつきますか?

不法残留には罰則の定めがありますが、自発的に出頭し誠実に対応した場合は、出国命令や在留特別許可で済むケースもあります。

Q5. 理由書には何を書けばよいですか?

理由書には、更新を忘れた経緯、期限切れに気づいた時期、気づいてからすぐに入管へ相談・出頭したこと、今後も日本で夫婦生活を続けたい事情などを整理して記載します。病気や出産、家族の事情など、やむを得ない事情がある場合は、診断書や母子手帳の写しなど、事情を裏づける資料を添えると説明の裏づけになります。

事実関係を時系列で整理し、正確に説明することが大切です。

Q6. 期限が切れた状態でも仕事を続けてよいですか?

在留期限が切れると、たとえ配偶者ビザに就労制限がなくても、適法に働ける状態ではなくなります。期限切れに気づいた時点で就労を続けることはリスクが高いため、速やかに入管へ出頭し、状況を是正することが先決です。就労を継続したまま放置すると、悪質と判断される一因にもなりかねません。

Q7. 配偶者(日本人)も一緒に入管へ行く必要がありますか?

必ずしも配偶者が同行しなければならないわけではありません。ただし、配偶者ビザは実態のある婚姻関係を前提とする在留資格であるため、期限切れの事情や夫婦の生活状況を説明するうえで、配偶者が同行した方がよい場合があります。

特に、別居している場合や、婚姻実態について追加説明が必要になりそうな場合は、配偶者が事情を説明できるよう準備しておくことが重要です。同行すべきか迷う場合は、事前に行政書士などの専門家へ相談し、必要書類や説明内容を整理したうえで対応しましょう。

まとめ

配偶者ビザの更新を忘れて在留期限が過ぎてしまった場合でも、放置せず早めに対応することが重要です。在留期限を過ぎると不法残留の状態になりますが、経過日数や個別の事情によって、取るべき対応は変わります。

まず押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 在留期限を過ぎたら、短期間でも不法残留の状態になる
  • 期限切れに気づいたら、放置せず速やかに入管へ相談・出頭する
  • 更新を忘れた理由や、気づいてからの対応を正確に説明する
  • 配偶者との婚姻実態や、日本で生活を続けたい事情を整理する

期限切れ後の対応では、説明内容や提出書類が重要になります。緊急性が高く判断が難しい状況だからこそ、専門家のサポートが力になります。お早めにご相談ください。

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【永住許可申請】必要書類は?手続きや不許可にならないための注意点

永住許可とは、外国人の方が日本に在留するために必要な資格の申請手続きのひとつです。しかし、手続きの進め方やどんな書類が必要かなど、何から手をつければいいか分からないとお困りの方も多いでしょう。

永住許可申請の必要書類は、現在所持している在留資格によって変わります。この記事では、行政書士の視点で書類の揃え方を分かりやすく解説します。永住許可申請は、書類の不備や納税状況の確認漏れによって不許可になるケースが少なくありません。せっかく準備しても、有効期限が切れていたり、自分のケースに合わない書類を集めてしまったりすると手戻りが発生します。

本記事では、以下のポイントについて整理します。ぜひ最後までご覧ください。

  • 自分の在留資格(就労ビザ・配偶者ビザなど)でどの書類が必要か
  • 住民税・年金・健康保険の納付をどう証明するか
  • 身元保証人に何を依頼すればいいか
  • 書類の有効期限と、集める順番のタイムライン
  • 不許可や追加資料通知につながる「落とし穴」

永住許可申請とは?必要書類を揃える前に確認すべき4つの要件

永住許可とは、在留期間の制限なく日本に住み続けられる資格です。更新手続きが不要になり、就労の制限もなくなります。ただし、許可を得るには厳しい要件をクリアしなければなりません。

出入国在留管理庁(旧・入国管理局)は、永住許可のガイドラインを公表しています。詳しくは出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただけます。まずは主な4つの要件を表で確認しましょう。

要件内容
在留年数原則として継続10年以上の在留(うち就労資格で5年以上)
素行善良法律を守り、社会的に非難されない生活を送っていること
独立生計安定した収入や資産があり、生活に困らないこと
国益適合納税義務などを果たし、日本の利益になると認められること

在留年数の要件(原則10年・特例あり)

基本は「日本に10年以上、継続して住んでいること」が条件です。このうち、就労資格や居住資格で5年以上の在留が必要とされています。

ただし、特例があります。日本人の配偶者の場合は、婚姻後3年以上かつ在留1年以上で申請できます。高度専門職(高い能力を持つ外国人材向けの在留資格)の方は、ポイント数によって1年または3年に短縮される場合があります。

注意したいのが「継続して」という点です。
たとえば、1回の出国が3か月以上、あるいは1年間の出国日数の合計が100日以上に及ぶと、在留の継続性が途切れたとみなされる場合があります。海外赴任や長期帰国の経験がある方は、出入国の記録を確認しておきましょう。パスポートの出入国スタンプや、出入国在留管理庁で取得できる出入(帰)国記録が証明に役立ちます。

素行善良・独立生計・国益適合とは

「素行善良」は、交通違反や税金の滞納がないことを指します。
「独立生計」は、世帯として安定した暮らしができる収入があること。
「国益適合」は、納税や公的義務をきちんと果たしているかが問われます。

独立生計の目安として、明確な金額基準は公表されていませんが、実務上は年収300万円程度が一つのラインです。扶養家族が多い場合は、それ以上が望ましいでしょう。たとえば配偶者と子ども2人を扶養している会社員であれば、年収400万円前後あると安定性を示しやすくなります。世帯単位で判断されるため、共働きの場合は夫婦の収入を合算して示すことも可能です。

これらの要件は、書類によって客観的に証明する必要があります。次の章からは、必要書類を具体的に見ていきましょう。

【全員共通】永住許可申請の必要書類 基本一覧

在留資格にかかわらず、すべての申請者が共通して用意する書類があります。まずは基本の組み合わせを押さえましょう。

書類名入手先・注意点
永住許可申請書出入国在留管理庁のサイトからダウンロード可
証明写真(4cm×3cm)3か月以内に撮影したもの
パスポート・在留カード提示が必要(コピーを求められる場合あり)
住民票世帯全員分、マイナンバー省略のもの
理由書永住を希望する理由を記載(任意だが推奨)

申請者本人が準備する書類

申請書は、出入国在留管理庁の様式を使います。理由書は必須ではありませんが、永住を希望する理由を丁寧に書くことで、審査官に状況が伝わりやすくなります。行政書士が作成をサポートすることも多い書類です。

理由書には、来日した経緯、これまでの職歴や家族構成、日本社会への貢献、そして今後も日本で暮らし続けたい具体的な理由を盛り込むと効果的です。たとえば「日本で就職し、地域コミュニティの活動にも参加している」「子どもが日本の学校に通い、生活の基盤が完全に日本にある」といった具体的なエピソードがあると、審査官に生活実態が伝わりやすくなります。形式的な文章よりも、自分自身の言葉で書かれた誠実な内容が好印象につながります。

写真・在留カード・パスポートの注意点

証明写真は「3か月以内に撮影」したものが求められます。古い写真の使い回しは避けてください。在留カードとパスポートは、申請時に窓口で提示します。有効期限が近い場合は、先に更新が必要なケースもあります。

【在留資格別】追加で必要な書類

永住許可申請でつまずきやすいのが、在留資格ごとに異なる追加書類です。多くの解説サイトは文章で羅列するため、自分のケースが分かりにくいです。以下に、簡単な表にまとめました。参考にご覧ください。

追加書類就労系配偶者等高度専門職
在職証明書必要配偶者分必要
戸籍謄本(配偶者の)必要場合による
ポイント計算表必要
スナップ写真推奨

就労系ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の場合

技術・人文知識・国際業務(いわゆる就労ビザの一種)の方は、勤務先の在職証明書や、住民税の課税・納税証明書が中心となります。会社員の方は、勤務先に在職証明書の発行を依頼しましょう。

転職経験がある方は注意が必要です。直近の勤務先だけでなく、これまでの職歴と在留資格の整合性が確認されます。たとえば、エンジニアとして就労ビザを取得した方が、許可されていない単純労働に従事していたと判断されると、素行や活動内容の面で不利になります。職歴に空白期間がある場合も、その間の生活状況を理由書などで説明できるよう準備しておくと安心です。

日本人・永住者の配偶者等の場合

「日本人の配偶者等」の在留資格の方は、配偶者の戸籍謄本が必要です。加えて、配偶者の収入を示す書類も準備します。

ちなみに、夫婦の関係を示すスナップ写真を添えると、結婚の信ぴょう性が増します。

高度専門職・定住者の場合

高度専門職の方は、ポイント計算表とその根拠資料が必要です。「定住者」の方は、これまでの在留経緯が分かる資料が求められる場合があります。個々の状況によって異なりますので、行政書士へ相談すると確実です。

収入・納税・公的義務を証明する書類の集め方

永住許可審査で最も重視されるのが、納税と公的義務の履行です。ここでつまずく方が非常に多いため、丁寧に確認しましょう。

住民税の課税証明書・納税証明書

住民税の課税証明書(収入を示す書類)と納税証明書(納めた事実を示す書類)は、市区町村の役所で取得します。通常、直近3年分または5年分が求められます。在留資格により異なるため、どちらに該当するか必ず確認しましょう。

よくある間違いとして、住民税の納付期限を過ぎてしまっているケースがあります。過去に遅れがある方は、申請前に行政書士へ相談することをおすすめします。

年金・健康保険の納付を証明する書類

近年、年金と健康保険の納付状況が厳しく確認されるようになりました。年金は「ねんきん定期便」や納付記録、健康保険は保険料の領収書や納付証明で証明します。

注意したいのが、保険料を口座振替にしている場合です。納付証明がすぐに出ないことがあります。年金事務所への取り寄せには時間がかかるため、早めの準備が肝心です。

なお、年金は未納期間があると、納付期限から2年を過ぎた分は時効により納められない場合がありますが、免除・納付猶予を受けた期間は追納できることがあります。健康保険についても、国民健康保険と社会保険では納付方法や確認方法が異なるため、自分がどの制度に加入していたかを整理しておくことが大切です。

身元保証人に関する書類と依頼のポイント

永住許可申請には、身元保証人が必要です。身元保証人とは、申請者の生活を道義的に支える役割を担う人で、日本人または永住者であることが求められます。

多くは、配偶者・勤務先の上司・知人などに依頼します。身元保証人には、以下の書類を準備してもらいます。

  • 身元保証書(出入国在留管理庁の様式)
  • 身元保証人の住民票
  • 身元保証人の職業を証明する書類(在職証明書など)
  • 身元保証人の収入を証明する書類(課税証明書など)

よくある間違いとして、身元保証人の年収を口頭確認だけで済ませてしまうケースがあります。後から「収入が不足していた」と分かると、保証人を変更せざるを得ません。依頼時に、収入を証明する書類で確認しておきましょう。

なお、身元保証はあくまで道義的責任であり、連帯保証人のように法的に金銭的な債務を負うものではありません。依頼を受けた方が「借金の肩代わりをさせられるのでは」と不安を感じることがありますが、その心配はないことを丁寧に説明すると、引き受けてもらいやすくなります。とはいえ、保証人としての信頼性が審査に影響するため、安定した職業と収入のある方に依頼するのが望ましいでしょう。

書類取得のタイムラインと期限

審査期間は一律ではなく、申請内容や混雑状況、追加資料の有無によって変動します。余裕を持って準備し、在留期限が近い場合は更新手続きも並行して進めましょう。

発行から3ヶ月以内など期限がある書類

課税証明書・納税証明書・住民票・戸籍謄本などは、発行から3か月以内が原則です。これらは申請直前に取得するのが基本です。早く取りすぎると期限切れになる恐れがあります。

取り寄せに時間がかかる書類

一方、年金の納付記録や、本国から取り寄せる出生証明書などは、入手に数週間かかることがあります。こうした書類から先に着手するのが鉄則です。

時期やること
2〜3か月前年金記録・本国書類の取り寄せ開始
1か月前在職証明書・身元保証関連を依頼
申請直前課税・納税証明書・住民票を取得

不許可・追加資料通知を防ぐための注意点

永住許可申請では、審査の途中で「追加資料通知書」が届くことがあります。これは不足書類の提出を求めるもので、対応が遅れると審査が長引きます。よくある落とし穴を整理しました。

  • 住民税の納付期限を過ぎていた(後納でも遅延扱い)
  • 健康保険料を口座振替にしていて納付証明が出にくい
  • 身元保証人の年収を確認せずに依頼してしまった
  • 転職直後で収入の安定性が示せなかった
  • 書類の有効期限が切れていた

これらは、事前の確認で防げるものばかりです。一度不許可になると、再申請のハードルが上がります。不安な点があれば、申請前に専門家へ相談することが、許可への近道です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 永住許可申請の処理期間はどのくらいですか?

標準的な処理期間は、おおむね4か月から6か月程度です。ただし、書類の追加要求があると長引きます。混雑状況によっても変わるため、余裕を持った申請をおすすめします。なお、審査期間中に転職や転居をした場合は、状況によって出入国在留管理庁への届け出が必要になることがあります。

Q2. 過去に住民税の滞納がありました。申請できますか?

滞納が解消されていれば申請自体は可能ですが、納付状況は厳しく見られます。期限後の納付があると不利になる場合があります。個々の状況によって異なるため、行政書士へ相談されることをおすすめします。実務上は、遅延を解消してから一定期間(おおむね2〜3年程度)、期限内納付を続けた実績を積んでから申請するケースもあります。

Q3. 申請中に在留期間が切れそうです。どうすればいいですか?

永住許可の審査中でも、現在の在留資格の更新手続きは必要です。期限切れにならないよう、別途更新申請を行ってください。放置すると不法滞在になる恐れがあります。

Q4. 身元保証人がなかなか見つかりません。

身元保証人は、日本人または永住者であれば、必ずしも親族でなくても構いません。職場の上司や信頼できる知人に依頼するケースもあります。見つからない場合は、行政書士へご相談ください。

Q5. 自分で申請するのと、行政書士に頼むのとでは何が違いますか?

ご自身でも申請は可能です。ただし、理由書の作成や書類の整合性チェックは専門知識が必要です。行政書士に依頼すると、不許可リスクを下げ、手間を大きく減らせます。

Q6. 永住許可が下りた後も、在留カードの更新は必要ですか?

永住者になると在留期間の更新は不要になりますが、在留カード自体には7年の有効期限があります。期限が切れる前に更新手続きが必要です。また、住所変更があった際の届け出義務などは引き続き残りますので、各種手続きを忘れないようにしましょう。

まとめ

住許可申請では、必要書類が多く、在留資格によって追加で求められる書類も変わります。まずは共通書類をそろえたうえで、自分の在留資格に応じて、納税・年金・健康保険・身元保証人に関する書類を順番に確認することが大切です。
本記事の重要なポイントは、以下のとおりです。

  • 永住許可申請の必要書類は、在留資格によって異なる
  • まずは申請書、写真、パスポート、在留カード、住民票などの共通書類をそろえる
  • 住民税、年金、健康保険の納付状況は、審査で特に重視される
  • 身元保証人には、身元保証書だけでなく、収入や職業を確認できる書類も依頼する
  • 証明書類には有効期限があるため、取得の順番を考えて準備する
  • 出国期間、収入、納付状況などは、口頭ではなく書類で示す必要がある
  • 未納や不備があると、追加資料の提出や不許可につながることがある
  • 不安な点がある場合は、早めに確認しながら進めると手戻りを防ぎやすい

永住許可申請は、書類をただ集めるだけではなく、「自分の状況を客観的に説明できるか」が重要です。必要書類を整理し、期限切れや提出漏れを防ぎながら準備を進めることで、申請の負担を減らしやすくなります。

もし「どの書類が自分に合わせているか分からない」「納税や年金の証明で迷っている」という場合は、一人で進めず、早めに行政書士へ相談して、準備の進め方を確認してみてください。

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登録支援機関は書類作成を代行できる?注意点や確認事項を解説

2026年1月施行の改正行政書士法により、入管提出書類の作成に関する規定が改訂されました。

結論、登録支援機関が入管提出書類の作成を全面的に代行することはできません。これまで支援業務とあわせて書類作成も任せていた場合、今後も同じ対応で問題ないのか確認しておく必要があります。

この記事では、改正行政書士法を踏まえ、登録支援機関が書類作成を代行できるのか、申請取次と書類作成の違い、登録支援機関が対応できるサポート範囲、依頼前に確認すべきポイントについて解説します。

登録支援機関は書類作成を代行できる?

登録支援機関が入管提出書類の作成を全面的に代行することは、行政書士法により原則禁止とされています。

特定技能外国人を受け入れる際には、在留資格に関する申請書や届出書、支援計画に関する書類、雇用条件に関する書類など、さまざまな書類が必要です。登録支援機関に書類作成もまとめて任せている受入企業も少なくないでしょう。

しかし、登録支援機関の本来の役割は、特定技能外国人の生活や就労を支援することです。入管に提出する申請書や理由書などを作成する業務は、行政書士(および弁護士)が行う必要があります。

入管提出書類の作成は行政書士に依頼するべき

入館に提出する書類作成は、行政書士に依頼しましょう。
特定技能外国人の受け入れでは、申請書や届出書など、多くの入管提出書類が必要になります。これらの書類は、単に名前や住所を記入すればよいものばかりではありません。受入企業の状況、外国人本人の雇用条件、支援体制などを確認したうえで、正確に作成する必要があります。

ただし、支援業務の一環として登録支援機関が対応できるものもあります。ポイントは、登録支援機関が書類の中身を判断して作成しているか、という点です。
たとえば、企業から聞いた内容を一覧にまとめるだけであれば補助業務に近いと考えられます。

一方で、理由書の文章を考える、申請書を企業の代わりに完成させるといった行為は、書類作成にあたる可能性があります。注意したいのが、支援料やサポート料の中に書類作成の対価が含まれているケースです。
書類作成費という名目で請求していなくても、支援料・手数料・コンサル料などに実質的な対価が含まれていれば問題になる可能性があります。そのため、入管提出書類の作成は行政書士に依頼し、登録支援機関は情報整理や資料収集、連絡調整などの補助にとどめる形が安全です。

登録支援機関の役割は『在日外国人の生活支援』

登録支援機関の本来の役割は、特定技能外国人が日本で安定して働き、生活できるように支援することです。

具体的には、生活オリエンテーション、住居確保のサポート、銀行口座や携帯電話など生活に必要な契約支援、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、定期面談などがあります。これらは、外国人本人が日本で安心して働き続けるために欠かせない支援です。

しかし、在留資格に関する書類の作成や手続きは、登録支援機関の支援業務とは別として考えなければなりません。最悪の場合、行政書士法違反とみなされる場合もあるため、注意しましょう。

受入企業も登録支援機関への丸投げには注意が必要

受入企業側も、登録支援機関にすべてを任せきりにするのは注意が必要です。とくに、誰が書類を作成しているのか分からない状態や、支援料の中に書類作成費が含まれている状態は避けるべきでしょう。 

受入企業は、以下の事項を確認しておいてください。

  • 誰が入管提出書類を作成しているのか
  • 行政書士が関与しているのか
  • 登録支援機関の支援料に書類作成費が含まれていないか
  • 支援業務と書類作成業務の契約が分かれているか
  • 登録支援機関と行政書士の役割分担が明確になっているか

登録支援機関が書類作成をできない理由

登録支援機関が入管提出書類を作成できない理由は、行政書士法で「官公署に提出する書類の作成」が行政書士業務とされているためです。

入管に提出する在留資格申請書や届出書、理由書などは、官公署に提出する書類です。そのため、登録支援機関が受入企業から依頼を受け、報酬を得て作成すると、行政書士法違反とみなされる可能性があります。

行政書士法で官公署に提出する書類作成が制限されている

行政書士法では、行政書士でない者が、報酬を得ながら、官公署に提出する書類を業務として作成することを制限しています。また、行政書士法第1条の3でも、行政書士の業務として官公署に提出する書類の作成が定められています。

ここでいう官公署には、入管も含まれるため、特定技能の在留資格申請や届出に関する書類も、行政書士法上の制限を受けます。

支援料込み・無料名目でも違法リスクがある

支援料、サポート料、コンサル料などの中に書類作成の対価が含まれている場合、名目上は無料でも、実質的に報酬を得ていると見なされるリスクがあります。令和8年1月1日施行の改正行政書士法では、行政書士または行政書士法人でない者について、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」業務を行うことができない旨が明確化されました。

日本行政書士会連合会も、名目を問わず、実質的な対価を受けて官公署への提出書類を作成する行為が違反にあたることを明確にするものだと説明しています。

書類作成は行政書士へ

無資格者が、報酬を得て官公署提出書類を作成する行為は、従来から行政書士法上問題となる行為でした。しかし、実態として登録支援機関が文書作成に携わっているケースも少なくありませんでした。

今回の改正は、支援料やコンサル料など名目を変えた場合でも、実質的に対価を受けていれば問題になり得る点を明確にしたものです。登録支援機関としては、現在の契約内容や業務範囲を見直しておくとよいでしょう。とくに、書類作成を支援業務の一部として扱っている場合は、速やかに行政書士との連携が必要です。

申請取次と書類作成の違い

登録支援機関の業務を考えるうえで、混同しやすいのが「申請取次」と「書類作成」です。
申請取次は、本人や受入企業に代わって、入管への申請手続きを取り次ぐこと。書類作成は、申請書や理由書などの内容を考え、提出できる状態に整える業務です。

申請取次は『書類提出のための手続き』

申請取次は、入管への申請を本人に代わって取り次ぐ手続きです。

あくまでも提出の手続きに関するもので、書類作成ではありません。申請取次ができる立場であっても、申請人・届出人として書類に署名したり、記載内容を直接直したりすることはできません。そのため、登録支援機関が入管手続きに関わる場合でも、書類の作成者や責任の所在を明確にしておく必要があります。

書類作成は『申請書・理由書の作成』

書類作成とは、申請書や理由書、説明書などを提出できる状態に整える業務です。

たとえば、受入企業の状況をもとに申請書の内容を作る、外国人本人の事情を整理して理由書の文章を作成する、入管に提出する内容を判断して組み立てるといった行為が該当します。
これらは単なる資料整理ではなく、官公署に提出する書類の作成にあたる可能性があります。
登録支援機関が対応するのではなく、行政書士などの資格者に依頼しましょう。

登録支援機関が注意すべき違法リスクのある行為

ここからは、登録支援機関が注意すべきポイントについて見ていきます。行政書士法との関係でトラブルにならないためにも、今一度確認しておきましょう。

①受入企業の代わりに申請書を作成する

受入企業の情報をもとに、登録支援機関が申請書を入力・完成させる行為は注意が必要です。たとえば、受入企業から聞いた内容をもとに、どの項目に何を書くかを判断し、申請書を完成させるといった行為は、書類作成にあたる可能性があります。

②理由書や説明書などの文章を作成する

理由書や説明書は、申請内容を補足するための重要な書類です。

登録支援機関が理由書の構成を考えたり、文章を作成したりする場合は、単なる補助業務ではなく、書類作成にあたる可能性があります。

③支援料やサポート料に書類作成を含める

書類作成費として請求していなくても、支援料やサポート料の中に書類作成の対価が含まれている場合は注意が必要です。実態として、支援料の中に作成業務の対価が含まれていれば、報酬を得て書類作成を行っていると判断されるケースがあります。

登録支援機関が対応できる書類まわりのサポート

ここでは、登録支援機関が対応できる書類まわりのサポートについて整理します。

登録支援機関の本来の役割は、特定技能外国人の生活・就労支援です。書類まわりの対応も、あくまでその支援を補助する範囲で考える必要があります。

①必要書類や提出期限を案内する

登録支援機関は、受入企業に対して必要書類や提出期限を案内できます。
たとえば、どの資料を準備する必要があるのか、いつまでに用意すべきかを共有することで、受入企業側も手続きを進めやすくなります。ただし、必要書類の案内を超えて、申請内容の判断や書類の記入を行うことは認められていません。注意しましょう。

②受入企業や外国人本人から資料を集める

受入企業や外国人本人から必要資料を集めるのは、登録支援機関にも認められています。
実際の書類作成は、行政書士または行政書士法人にのみ許可されている業務とされています。登録支援機関は作成そのものではなく、作成のための情報整理にとどめるのが安全です。

③行政書士に渡す情報を整理する

行政書士が書類を作成しやすいように、集めた情報を整理することも可能です。
たとえば、ヒアリング内容を一覧にまとめたり、不足している資料を確認したりすることで、書類作成までの流れがスムーズになります。一方で、理由書の文章を作成したり、申請内容を判断して組み立てたりする場合は、書類作成にあたる可能性があります。

④オンライン申請のサポート

登録支援機関は、オンライン手続きの操作面や手順の案内も可能です。

ただし、申請内容そのものを入力したり、申請人名義で提出したりする場合は注意が必要です。登録支援機関の職員が対応する場合は、地方出入国在留管理官署で「申請等取次者」として承認されている必要があります。また、行政書士が対応する場合も、申請取次承認を受けていることが前提です。

書類作成を依頼する前に確認すべきこと

特定技能外国人の受け入れでは、登録支援機関に支援業務を委託するケースがありますが、入管提出書類の作成については対応できません。書類作成をする際は、誰が作成するのか、費用の内訳はどうなっているのかを確認しておきましょう。

①申請書や理由書の作成は行政書士に依頼する

申請書や理由書など、入管に提出する書類の作成は行政書士に依頼しましょう。

これらの書類は、受入企業の状況や外国人本人の雇用条件、支援体制などを踏まえて作成する必要があります。2026 年 1 月施行の改正行政書士法では、登録支援機関が有償で在留申請書類を作成すると行政書士法違反となり、法人にも罰則が及ぶ両罰規定が新設されました。

これまで、登録支援機関が支援業務の一環として作成しているケースも見られましたが、現在は行政書士法によって禁じられています。

②登録支援機関には資料収集や情報整理を依頼する

登録支援機関のサポートを受ける場合は、書類作成そのものではなく、資料収集や情報整理など依頼しましょう。

必要書類の案内、提出期限の共有、受入企業や外国人本人からの資料回収、行政書士へ渡す情報の整理などは、支援業務の補助として対応できる範囲です。

③支援料と書類作成費は分けて確認する

登録支援機関に支払う支援料と、行政書士に支払う書類作成費は分けて確認しましょう。

書類作成費という名目で請求されていなくても、支援料やサポート料の中に実質的な対価が含まれている場合は注意が必要です。見積書や契約書では、どの業務に対する費用なのかを確認しておくと安心です。

④行政書士との連携体制を確認する

登録支援機関が行政書士と連携している場合は、書類作成の流れを確認しておきましょう。

たとえば、登録支援機関が資料収集や情報整理を行い、行政書士が申請書や理由書を作成する形であれば、役割分担が明確になります。誰が支援業務を担当し、誰が書類作成を担当するのかを分けておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。

まとめ

登録支援機関は、特定技能外国人の生活・就労支援を行う機関です。入管提出書類の作成まで全面的に代行することは、行政書士法との関係で注意が必要です。

受入企業が申請書や理由書などの作成を依頼したい場合は、行政書士に相談しましょう。

本記事の重要なポイントは、以下のとおりです。

  • 入管提出書類の作成は、行政書士に依頼するべき
  • 登録支援機関の本来の役割は、特定技能外国人の生活・就労支援
  • 申請取次と書類作成は別の業務として考える
  • 必要書類の案内や資料収集、情報整理は登録支援機関でも対応できる場合がある
  • 理由書の作成や申請書の完成代行は、書類作成にあたる可能性がある
  • 支援料やサポート料に書類作成の対価が含まれている場合も注意が必要
  • 契約書や請求書では、支援業務と書類作成業務を分けて確認する

登録支援機関・受入企業・行政書士の役割を明確に分けることで、法的なリスクを抑えながら手続きを進めやすくなります。登録支援機関に支援業務を依頼する場合でも、書類作成まで任せきりにするのは避けましょう。

【2026年最新】特定技能の定期届出オンライン提出|手順と注意点

特定技能の定期届出は、出入国在留管理庁の電子届出システムからオンラインで提出できます。しかし、「必要書類は何を用意すればいいの?」「提出後はどこまで確認すればいいの?」と迷う担当者も多いのではないでしょうか。

実際、オンライン提出には事前の利用者登録・利用申出が必要です。また、提出書類は特定技能所属機関の状況や、登録支援機関への委託状況によって異なるため、事前に確認しておくべきポイントがあります。

この記事では、特定技能の定期届出をオンラインで提出する手順、在留申請オンラインシステムとの違い、提出前に準備する書類・データ、提出時の注意点、提出後に確認すべき内容まで解説します。

特定技能の定期届出は電子届出システムからオンライン提出できる

特定技能の定期届出は、出入国在留管理庁の電子届出システムからオンラインでの提出が可能です。窓口への持参や郵送でも提出できますが、オンライン提出であれば、書類を持参する手間や郵送コストを抑えられ、提出状況もオンライン上で確認しやすくなります。

なお、2025年4月以降、特定技能の定期届出は年1回の提出に変更されています。制度変更の詳しい内容は別記事『【2026年最新版】特定技能の定期届出の変更点と注意点』で解説していますので、ご覧ください。

使用するのは「電子届出システム」 

特定技能の定期届出をオンラインで提出する際に使用するのは、出入国在留管理庁の電子届出システムです。

電子届出システムでは、特定技能所属機関や登録支援機関が、特定技能に関する各種届出をオンライン上で行えます。定期届出についても、システム上で手続きを選択し、必要事項を入力したうえで、添付書類をアップロードして提出します。

オンライン提出の大まかな流れは、以下のとおりです。

在留申請オンラインシステムと間違えないよう注意

特定技能所属機関による定期届出で使用するのは、「出入国在留管理庁の電子届出システム」です。

特定技能に関するオンライン手続きでは、「在留申請オンラインシステム」という名称を見かけることがあります。しかし、在留申請オンラインシステムは、在留資格の申請・更新・変更などで使うシステムです。

混同しやすいため、手続きごとに使用するシステムを整理すると以下のようになります。

手続き使用するシステム
特定技能所属機関による定期届出出入国在留管理庁の電子届出システム
特定技能所属機関による随時届出出入国在留管理庁の電子届出システム
登録支援機関による届出出入国在留管理庁の電子届出システム
在留資格の申請・更新・変更在留申請オンラインシステム

検索結果や他の記事を見ていると、似た名称のシステムが出てくるため、初めて手続きを行う担当者は迷いやすい部分ですので、注意しましょう。 

特定技能の定期届出をオンライン提出する6つの手順

オンライン提出の具体的な手順について解説していきます。

特定技能の定期届出をオンラインで提出する流れは、大きく以下の6つの手順に分けられます。

1. 電子届出システムのポータルサイトへアクセスする
2. 「オンライン申請手続き」へ進む
3. 「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」を選ぶ
4. 必要事項を入力する
5. 添付書類をアップロードする
6. 入力内容を確認して申し込む

初めて電子届出システムを利用する場合は、定期届出の手続きに進む前に、利用者登録と利用申出を済ませておく必要があります。

※利用者登録をしていない場合は、先に利用者登録を済ませてから、定期届出の手続きに進んでください。

1. 電子届出システムのポータルサイトへアクセスする

まずは、出入国在留管理庁の「電子届出システム」にアクセスします。電子届出システムを利用するには、事前に利用者登録が必要です。すでに登録が済んでいる場合は、利用者IDとパスワードを入力してログインします。

※未登録の方の場合

初めて電子届出システムを利用する場合は、上記の手順に進む前に、利用者登録と利用申出を済ませておく必要があります。利用申出では「利用申出(新たに所属機関による届出、特定技能所属機関・登録支援機関の届出等の実施を希望する所属機関等の方)」を選択してください。「利用申出(新たに在留諸申請の実施を希望する所属機関等の方)」ではありません。間違えないよう注意しましょう。

2. 「オンライン申請手続き」へ進む

電子届出システムにログインしたら、『オンライン申請手続き』へ進みます。

3. 「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」を選ぶ

利用者登録・利用申出が完了している場合は、手続き一覧から定期届出に該当する手続きを選択します。

特定技能の定期届出では、現在、受入れ状況・活動状況・支援実施状況を一本化して届け出る形になっています。そのため、「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」に該当するものを選択してください。

また、手続き説明画面で利用規約が表示された場合は、内容を確認し、問題がなければ「同意する」をクリックします。

4. 必要事項を入力する

申込画面が表示されたら、画面の案内に沿って必要事項を入力します。
主に入力する項目は、以下のとおりです。なお、画面の表示はシステムのバージョンによって多少異なる場合があります。

  • 特定技能所属機関に関する情報
  • 届出対象期間
  • 届出対象となる特定技能外国人の人数
  • 労働日数や労働時間に関する情報
  • 給与や報酬に関する情報
  • 支援の実施状況に関する情報

入力漏れや形式の誤りがある場合は、エラーが表示されるため、画面の案内に従って修正しましょう。

5. 添付書類をアップロードする

特定技能の定期届出では、参考様式第3-6号や別紙1のほか、登録支援機関への委託状況や報酬の支払方法などに応じて、追加書類が必要になる場合があります。たとえば、以下のような書類です。

書類名様式
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書参考様式第3-6号
特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況参考様式第3-6号 別紙1
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(署名欄)参考様式第3-6号 別紙2
報酬支払証明書参考様式第5-7号
その他、提出書類一覧表で指定されている書類該当する様式

パスワード付きPDFや、印刷・コピーが制限されたPDFは添付できない場合があります。添付時にエラーが出た場合は、ファイル形式やセキュリティ設定を確認してください。

選択が完了したら、入力画面に戻ります。

6. 入力内容を確認して申し込む

入力内容と添付書類を確認し、問題がなければ『確認へ進む』を選択します。
内容を確認し、『申し込む』をクリックしてください。完了すると、申込完了画面が表示されます。

その後、登録したメールアドレス宛に、受付や登録完了に関するメールが届きます。入力内容や添付書類に誤りがある場合は、メールで通知されるため、修正を行ってください。

オンライン提出前に準備する書類・データ

特定技能の定期届出をオンラインで提出する前に、入力に使う情報と添付書類を整理します。

電子届出システムでは、画面上で必要事項を入力し、必要書類をPDFでアップロードして申込みます。

提出書類は、特定技能所属機関の状況や登録支援機関への委託状況によって異なるため、最新情報は出入国在留管理庁の公式ページで確認してください。

入力前に整理するデータ

主に、以下の情報が必要となります。

データ確認資料の例
特定技能外国人の氏名・生年月日・在留カード番号在留カード、社内管理表
在留資格・在留期間在留カード、在留資格関係書類
受入れ開始日・退職日雇用契約書、退職届、社内管理表
所属事業所配属記録、事業所別管理表
従事している業務内容雇用契約書、労働条件通知書
労働日数・労働時間勤怠データ、出勤簿
給与・報酬額賃金台帳、給与明細、振込記録
支援実施状況定期面談記録、相談対応記録、登録支援機関からの共有資料

労働日数・労働時間・給与額は、入力ミスが起こりやすい項目です。勤怠データや給与資料と照らし合わせながら、対象期間の数字を整理してください。

共通して準備する書類

定期届出で基本となる書類は以下です。

書類名様式
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書参考様式第3-6号
特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況参考様式第3-6号 別紙1

参考様式第3-6号は、特定技能外国人の受入れ状況・活動状況・支援実施状況を届け出る書類です。参考様式第3-6号別紙1は、特定技能外国人を受け入れている事業所ごとに作成します。複数の事業所がある場合は、事業所ごとに対象者と入力情報を分けて整理してください。

必要に応じて準備する書類

以下は、状況に応じて提出が必要になる書類です。

書類名様式必要になるケース
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(署名欄)参考様式第3-6号 別紙2登録支援機関が作成・確認に関わる場合など
報酬支払証明書参考様式第5-7号報酬を口座振込以外の方法で支払っている場合
理由書任意様式届出内容や提出書類について補足説明が必要な場合

登録支援機関に支援を委託している場合は、参考様式第3-6号別紙2の提出が必要になるケースがあります。委託状況によって扱いが変わるため、提出書類一覧表や作成要領で要否を確認してください。

また、報酬支払証明書は、報酬を口座振込以外の方法で支払っている場合に使用します。現金払いなど、振込記録だけでは支払い状況を確認しにくい場合は、提出対象になる可能性があります。

提出書類を確認するときの注意点

定期届出の提出書類は、すべての企業で同じではありません。特定技能所属機関の状況、登録支援機関への委託状況、報酬の支払い方法、過去の受入れ実績などによって、追加で必要になる書類が変化します。ここでは、提出前に確認しておきたいポイントを解説します。

追加書類が変わるケースがある

定期届出では、特定技能所属機関が「一定の基準」を満たすかどうかによって、追加書類が変わります。具体的には、過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令処分を受けていないかや、在留申請をオンライン申請で行っているかなどです。

基準を満たす場合は、一部書類を省略できる可能性があります。一方、基準を満たさない場合は、誓約書、特定技能所属機関概要書、労働保険料・社会保険料・税金の納付に関する資料などが必要になる場合があります。該当するか判断に迷う場合は、出入国在留管理庁の提出書類一覧表で確認してください。

添付ファイルはPDFで準備する

オンライン提出では、添付書類をPDF形式でアップロードします。パスワード付きPDF、印刷・コピーが制限されたPDF、規格に合わないPDFは、添付できない場合があります。添付エラーが出た場合は、ファイル形式やセキュリティ設定を確認してください。

公式ページ・様式の確認先

定期届出の提出書類や参考様式は、出入国在留管理庁の公式ページから確認できます。

確認先確認できる内容
特定技能所属機関・登録支援機関による届出(提出書類)定期届出の提出書類一覧、作成要領、参考様式
電子届出システムポータルサイトオンライン提出の入口
電子届出システム操作マニュアル利用者登録、利用申出、ログイン、申込方法
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出 作成要領書き方、対象者、記載ルール

オンライン提出時によくあるミスと注意点

オンライン提出では、手続き名の選択ミスや添付書類の不足が起こりやすいため、申込み前に以下を確認します。

確認項目注意点
使用するシステム定期届出は「出入国在留管理庁の電子届出システム」を使用する
手続き名「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」に該当するものを選択する
提出時期旧制度の四半期提出と混同しない
対象者対象期間中に受け入れた特定技能外国人に漏れがないか確認する
入力内容勤怠・給与・支援記録と入力内容が一致しているか確認する
添付書類必要書類をPDFで添付しているか確認する
登録支援機関支援委託がある場合、支援実施状況や署名欄の要否を確認する

表の項目は、提出後の修正対応につながりやすいポイントです。申込み前に一度立ち止まり、選択した手続き・入力内容・添付書類が同じ対象期間の情報でそろっているかを確認しましょう。

オンライン提出後に確認すること

電子届出システムで申込みが完了した後も、エラーや修正対応が発生することがあります。

受付・登録完了メールを確認する

申込み後は、登録したメールアドレス宛に通知メールが届きます。登録エラーのメールが届いた場合は、メールに記載された内容に従って修正してください。

電子届出システムで処理状況を確認する

提出した届出の状況は、電子届出システム上でも確認できます。確認の流れは以下の通りです。

処理状況は、メールまたは電子届出システム画面にて確認が可能です。

提出記録を保存する

定期届出書の提出後は、以下の記録を保存しておきます。

保存するもの内容
提出日オンラインで申込みをした日
届出対象期間どの期間の定期届出か
受付番号メールやシステム上で確認できる番号
提出した書類アップロードしたPDF
登録完了メール届出完了を確認できるメール
修正対応の記録エラーや差し戻しがあった場合の対応内容

メールと電子届出システム上の処理状況を確認し、完了が確認できる記録を保存しましょう。

まとめ

  • 特定技能の定期届出は、出入国在留管理庁の電子届出システムからオンライン提出できる
  • 使用するのは「在留申請オンラインシステム」ではなく「電子届出システム」
  • 初回利用時は、事前に利用者登録と利用申出が必要
  • 手続き一覧では「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」に該当するものを選択する
  • 提出書類は、委託状況や「一定の基準」によって変わるため、必ず公式ページで確認する
  • 申込み後は、受付メール・登録完了メール・電子届出システム上の処理状況まで確認する

オンライン提出は、窓口や郵送に比べて手間を減らせる便利な方法です。ただし、手順を間違えたり書類に不備があったりすると、提出後に修正対応が必要になる場合があります。

事前に必要書類と入力情報を整理し、正しい手順を確認したうえで、手続きを進めましょう。不明点がある方は、お気軽に行政書士へご相談ください。

【2026年最新版】特定技能の定期届出の変更点と注意点

特定技能の定期届出は、2025年4月の改定により、四半期ごとの提出から年1回の提出へ変更されました。ただし、提出回数が減った一方で、1年分の受入れ状況や支援状況をまとめて報告する必要があるため、日頃の管理や登録支援機関との情報共有がより重要になっています。

この記事では、特定技能の定期届出について、2025年4月以降の主な変更点や企業が注意すべきポイントについて解説します。

特定技能外国人を受け入れている企業の方や、改定後の定期届出への対応に不安がある方は、ぜひご覧ください。

在留資格・特定技能に必要な「定期届出」とは

特定技能の定期届出とは、特定技能外国人を受け入れている企業や個人事業主が、受け入れ状況・活動状況・支援の実施状況を出入国在留管理庁へ報告する手続きです。

特定技能外国人を雇用する企業は、採用後も、外国人が適切な条件で働いているか、必要な支援が行われているかを管理する必要があります。定期届出は、その状況を定期的に報告するためのものです。特定技能外国人を雇用している企業や、特定技能外国人を雇用している個人事業主が届け出の対象となります。

特定技能の定期届出は2025年4月以降どう変わった?

2025年4月1日、特定技能の定期届出に関する変更が行われました。主な変更点は、以下の3つです。

  1. 提出頻度が、四半期ごとから年1回に変更された
  2. 届出書類が「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」に一本化された
  3. 登録支援機関の支援状況も、特定技能所属機関が取りまとめて提出する形になった

1.提出頻度が年4回から年1回に変更された

これまでは四半期ごとに届出が必要でしたが、2025年4月1日以降は、年1回の提出に変更されました。対象年の4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を、翌年4月1日から5月31日までに提出する必要があります。

改定前四半期ごとに提出(年4回)
改定後年1回提出

2.届出書類が一本化された

これまで別々だった「受入れ・活動状況に係る届出書」と「支援実施状況に係る届出書」が、「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」に一本化されました。つまり、特定技能外国人の受入れ状況、活動状況、支援の実施状況を、1つの届出としてまとめて報告する形です。

届出に関する書類の雛形は、特定技能所属機関・登録支援機関による届出(提出書類) | 出入国在留管理庁 よりダウンロード可能です。

提出様式は整理されましたが、内容が大幅に減ったわけではありません。

定期届出では、特定技能外国人をどのように受け入れていたか、どのような条件で働いていたか、必要な支援を行っていたかなどを報告します。労働日数・労働時間・給与の支給額など、日頃から確認しておくべき情報は引き続き必要です。

3.登録支援機関の支援状況も所属機関が取りまとめる

登録支援機関に支援を委託している場合でも、定期届出への対応は特定技能所属機関側で行う必要があります。

登録支援機関に支援の全部を委託している場合、登録支援機関は支援業務の実施状況を、支援委託契約の相手方である特定技能所属機関を経由して届け出なければなりません。

なお、定期届出の主体となるのは、特定技能外国人を受け入れている企業や個人事業主などの特定技能所属機関です。登録支援機関に支援を委託している場合でも、届出への対応が不要になるわけではありません。

特定技能の定期届出の提出時期

特定技能の定期届出は、毎年4月1日から5月31日までに提出します。前年ではなく、対象年の4月1日から翌年3月31日までの1年分が対象となります。簡単にまとめると、以下の通りです。

対象期間4月1日〜翌年3月31日
提出期間翌年4月1日〜5月31日
提出頻度年1回

たとえば、2025年4月1日から2026年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況は、2026年4月1日から5月31日の間に提出する必要があります。

2026年4月以降は年1回の提出になる

特定技能の定期届出は、対象年の4月1日から翌年3月31日までの内容を、翌年5月31日までに提出します。2025年4月1日から2026年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況であれば、2026年4月1日から5月31日までに提出する、ということです。整理すると、以下のとおりです。

  • 対象期間:4月1日〜翌年3月31日
  • 提出期間:翌年4月1日〜5月31日
  • 提出頻度:年1回

2025年1月1日から3月31日までの届出は旧ルールが適応されたため、2025年4月15日までに提出する必要がありました。その後、2025年4月1日以降の分から、新しい年1回の定期届出に切り替わっています。

提出期間は約2か月あるものの、1年分の情報をまとめて確認する必要があります。期限直前に慌てないよう、受入れ状況や支援状況は日頃から整理しておきましょう。

特定技能の定期届出で提出する内容

特定技能の定期届出では、特定技能外国人の受入れ状況・活動状況・支援の実施状況を報告します。

2025年4月以降は、これらの内容を「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」にまとめて記載する形になりました。主な届出事項には、労働日数・労働時間数・給与の支給総額・昇給率などがあります。

たとえば、以下のような内容を確認する必要があります。 

  • 特定技能外国人を受け入れている状況
  • 特定技能外国人の活動状況
  • 労働日数・労働時間数
  • 給与の支給総額
  • 昇給率
  • 支援の実施状況

また、別紙では、特定技能外国人を受け入れている事業所ごとに、個人の年間活動日数や給与の総支給額、支援の実施状況などを記載します。記載内容や提出書類は、所属機関の状況によって変わります。不明点がある場合は、特定技能所属機関・随時届出Q&A をご確認ください。

定期届出が年1回になっても、定期面談は年1回ではない

定期届出は年1回に変更されましたが、定期面談まで年1回になったわけではありません。1号特定技能外国人に対する定期面談は、引き続き3か月に1回以上行う必要があります。定期届出の頻度と、日頃の支援・面談の頻度は別物として考えましょう。

特に、登録支援機関に委託している場合は、面談の実施状況や相談内容を企業側でも把握しておくことが大切です。面談は、届出に必要な情報を確認するだけでなく、ハラスメント・長時間労働・賃金未払いなどの問題防止・早期解決する機会にもなります。

特定技能の定期届出を怠った場合どうなる?

特定技能の定期届出は、特定技能所属機関に義務付けられている手続きです。届出をしなかった場合や、事実と異なる内容を届け出た場合は、罰則の対象になる可能性があります。また、届出が適正に行われていない場合、今後の特定技能外国人の受け入れにも影響するおそれがあります。

具体的には、以下の3つのようなデメリットをもたらす可能性があります。

  1. 届出の不履行や虚偽届出として扱われる可能性がある
  2. 特定技能外国人の受け入れ継続に影響する可能性がある
  3. 登録支援機関にも影響が及ぶ可能性がある

1.届出の不履行や虚偽届出は罰則の対象になる

定期届出を提出しなかった場合や、事実と異なる内容を届け出た場合は、罰則の対象になる可能性があります。

定期届出は、任意の報告ではありません。特定技能外国人を受け入れている企業や個人事業主に義務付けられている手続きです。そのため、「知らなかった」「忙しくて出せなかった」では済まされません。期限や提出内容は、事前に確認しておきましょう。

2.受け入れ継続に影響する可能性がある

届出が適正に行われていない場合、引き続き特定技能を持つ外国人を受け入れることができなくなるおそれがあります。特定技能制度では、外国人を雇用した後も、受け入れ状況や支援状況を適切に管理することが求められます。定期届出は、その管理状況を示すための重要な手続きです。

提出漏れや不備があると、受け入れ企業としての管理体制に問題があると見られる可能性があります。

3.登録支援機関にも影響が及ぶ可能性がある

登録支援機関に支援を委託している場合も、注意が必要です。届出が適正に行われていない場合、登録支援機関としての登録が取り消される可能性があります。支援を委託している企業にとっても、登録支援機関との情報共有は非常に重要です。

特定技能の定期届出で企業が注意すべきポイント

特定技能の定期届出は年1回になりましたが、提出直前だけ対応すればよいわけではありません。年1回になったことで提出回数は減りましたが、1年分の受入れ状況や支援状況をまとめて報告する必要があります。

日頃から情報を整理していないと、提出時期に確認作業が集中してしまうため、注意が必要です。特定技能の定期定期届出の義務がある企業の方は、以下の3点に注意してください。

  1. 古い情報のまま対応しない
  2. 1年分の情報を日頃から管理しておく
  3. 登録支援機関に任せきりにしない

1.古い情報のまま対応しない

特定技能の定期届出は、2025年4月以降にルールが変更されています。

古い記事や過去の社内資料では、「四半期ごとに提出」と説明されている場合があります。しかし、現在は年1回の提出に変更されています。

また、届出書類も新様式に整理されています。提出時期や使用する様式は、特定技能所属機関・登録支援機関による届出(提出書類) | 出入国在留管理庁 を確認してください。

2.1年分の情報を日頃から管理しておく

定期届出では、1年分の受け入れ状況や支援状況をまとめて報告します。
提出時期になってから情報を集めようとすると、労働日数・労働時間・給与の支払い状況・面談の記録・支援の実施状況などの確認に時間がかかる可能性があります。

そのため、以下のような情報は日頃から整理しておくと安心です。

  • 特定技能外国人の勤務状況
  • 労働時間や給与の支払い状況
  • 面談や相談対応の記録
  • 生活支援や各種サポートの実施状況
  • 登録支援機関との共有内容

年1回になったことで、管理そのものが不要になったわけではありません。むしろ、1年分をまとめる必要があるため、日頃の記録管理が重要になります。

3.登録支援機関に任せきりにしない

登録支援機関に支援を委託している場合でも、受け入れ企業側の確認は必要です。登録支援機関は、外国人への支援を代行する外部機関です。ただし、定期届出では、登録支援機関による支援実施状況も、特定技能所属機関が取りまとめて提出します。支援を外部に委託している場合でも、以下の内容は確認しておきましょう。主には、以下の内容です。

  • 面談や相談対応が実施されているか
  • 支援内容の記録が残っているか
  • 届出に必要な情報を共有してもらえるか
  • 企業側の情報と支援機関側の情報にズレがないか

まとめ

特定技能の定期届出は、2025年4月以降の改定により、四半期ごとの提出から年1回の提出へ変更されました。あわせて、これまで分かれていた届出書類も「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」に一本化されています。特定技能の定期届出は、制度改定後初めて対応する企業にとって、判断に迷いやすい部分も少なくありません。

必要な情報をどう整理すればよいか不安」「書類の作成や提出にミスがないか確認したい」という場合は、ぜひ行政書士へご相談ください。

本記事が、特定技能の定期届出の変更点や注意点を整理し、期限内に適切な対応を進めるための参考となれば幸いです。

【2026年最新】技人国ビザの日本語N2要件を解説 

技人国ビザでは、2026年4月以降、一部の申請でN2(CEFR B2)相当の日本語力を示す資料が求められるようになりました。「N2がない外国人材は採用できないのか」「自社も新しい要件の対象になるのか」と不安に感じる企業担当者の方も多いでしょう。

実は、すべての申請でN2が必須になるわけではありません。

この記事では、技人国ビザでN2が必要になるケースや不要・免除されるケース、N2がない場合の対応策、企業が申請前に確認すべきポイントについて解説します。

技人国ビザに日本語N2は必要?

技人国ビザでは、2026年4月以降、一部の申請でN2相当の日本語力を示す資料が求められるようになりました。

勤務先・業務内容N2相当の証明
カテゴリー3・4の企業で、日本語を使う対人業務に就く必要になる可能性が高い
カテゴリー3・4でも、社内の専門業務が中心不要になる可能性がある
カテゴリー1・2の企業で働く対象外になる可能性がある
日本の大学・専門学校を卒業している免除・省略できる可能性がある

技人国ビザで対人業務に従事する場合はN2相当の日本語能力が必要

技人国ビザでN2相当の証明が必要になるのは、主に日本語を使う対人業務に就く場合です。対人業務とは、お客さまや取引先と直接やりとりする仕事を指します。

日本語で説明したり、相手の要望を聞き取ったりする場面が多い職種では、業務に必要な日本語力が求められます。

日本語N2は必須ではない

一方で、技人国ビザを申請する全員にN2が必要なわけではありません。社内での専門業務が中心の職種であれば、N2相当の証明が不要になる可能性があります。

ただし、職種名だけで判断されるわけではありません。重要なのは、実際の業務内容です。

たとえば、システムエンジニアでも、顧客との打ち合わせや日本語での説明が多い場合は、対人業務と見られる可能性があります。

2026年4月15日以降の申請条件

2026年4月15日以降の要件変更に伴い、以下の2点を満たす場合は、N2(CEFR B2)の日本語能力の証明が必要となりました。

  1. カテゴリー3・4の企業で働くこと
  2. 日本語を使う対人業務に就くこと

詳しくは、出入国在留管理庁の公式サイト在留資格『技術・人文知識・国際業務』のページをご覧ください。 

カテゴリー3・4の企業で働く場合

まず確認すべきなのは、勤務先の企業カテゴリーです。企業カテゴリーとは、会社の規模や実績などをもとに分けられる区分を指します。

カテゴリー1:上場企業、国・地方公共団体など
カテゴリー2:源泉徴収税額が一定以上ある企業
カテゴリー3:一定の実績資料を提出できる中小企業など
カテゴリー4:新設法人など、実績資料が少ない企業

このうち、N2要件で特に注意が必要なのはカテゴリー3・4です。中小企業やスタートアップ、新設会社は、必ず申請前に自社のカテゴリーを再確認するようにしましょう。

日本語を使う対人業務に就く場合

次に確認すべきなのは、担当する仕事内容です。日本語を使ってお客様や取引先とやりとりする仕事では、N2以上の日本語能力を示す資料が求められる可能性が高くなります。

具体的には、次のような業務です。

  • 営業
  • 販売
  • 接客
  • 通訳
  • カスタマーサポート
  • ホテルフロント
  • 広報・マーケティング

これらの仕事は、相手の話を正確に理解し、日本語で説明する力が求められます。そのため、カテゴリー3・4の企業で上記のような業務に就く場合は、準備が必要です。

新規申請・在留資格変更・転職時は注意が必要

海外から外国人材を呼び寄せる・技人国ビザへ変更する等の新規申請の場合はもちろん、すでに技人国ビザで働いている人でも、転職時や業務内容が変更される時は申請が必要です。

ただし、現在の会社で働き続ける場合や、通常の更新だけであれば、すぐに全員がN2を求められるわけではありません。不明な点がある方は、専門家と相談したうえで適切に対処してください。

技人国ビザでN2が不要・免除されるケース

ここまで解説した条件に当てはまらない場合は、N2相当の証明が不要になる可能性があります。主なケースは、次の3つです。

  1. カテゴリー1・2の企業で働く場合
  2. 対人業務に当たらない仕事をする場合
  3. 日本の大学・専門学校などを卒業している場合

【証明が不要となるケース①】カテゴリー1・2の企業で働く

勤務先がカテゴリー1・2の企業に当たる場合は、N2要件の対象外になる可能性があります。

カテゴリー1には、上場企業や国・地方公共団体などが含まれます。
カテゴリー2は、源泉徴収税額が一定以上ある企業です。

これらの企業は、会社の規模や受け入れ体制がある程度整っていると見られます。そのため、カテゴリー3・4の企業と比べると、N2相当の証明を求められにくいです。ただし、申請内容によって判断が変わる可能性も十分にあります。勤務先のカテゴリーは、事前に確認しておきましょう。

【証明が不要となるケース②】対人業務に当たらない仕事

担当する仕事が対人業務に当たらない場合も、N2相当の証明が不要になる可能性があります。たとえば、以下のような職種です。

  • プログラマー
  • システムエンジニア
  • データ分析
  • 設計
  • 研究職

これらは、社内での専門業務が中心になりやすい職種です。ただし、実際には顧客対応が多い場合や、日本語での説明・調整が多い場合は、対人業務とみなされることがあります。申請前には、実際の仕事内容を整理しておくことが大切です。

【証明が不要となるケース③】日本の大学・専門学校などを卒業している

日本の大学や専門学校を卒業している場合も、N2相当の証明が不要になる可能性があります。対象になりやすいのは、以下のようなケースです。

  • 日本の大学を卒業している
  • 日本の大学院を修了している
  • 日本の専門学校で専門士を取得している

日本の学校で学んでいる場合、一定の日本語力があると判断され、別途N2の合格証明を提出しなくてもよい可能性があります。一方で、日本語学校のみの修了は注意が必要です。大学や専門学校の卒業と同じ扱いになるとは限りません。
N2がない場合でも、まずは学歴や卒業証明書で代わりに説明できるか確認しましょう。

N2がない場合の対応策

N2を持っていない場合でも、すぐに申請を諦める必要はありません。
まずは、N2要件の対象に当たるのかを整理しましょう。そのうえで証明が必要な場合は、以下の方法を試してみてください。

JLPT N2以外でも証明できる場合がある

N2相当の日本語力は、JLPTだけで判断されるわけではありません。ほかの日本語試験でも、一定のレベルを満たしていれば、証明資料として使える可能性があります。
たとえば、BJTビジネス日本語能力テストです。400点以上は、N2相当の日本語能力があるとされる場合があります。

その他、代表的な試験は次のとおりです。

  • BJTビジネス日本語能力テスト
  • J.TEST実用日本語検定
  • NAT-TEST

ちなみに、JLPTは年に数回しか受験できません。申請時期によっては間に合わないことがあるため、その場合は、ほかの試験で代わりに証明できないか確認してください。

どの試験結果が認められるかは、申請内容によって変わります。準備を進める前に、どの証明方法が有効か確認しておきましょう。 具体的な基準については、日本語参照枠・CEFRとJ.TESTをご覧ください。 

職務内容や配属先を見直す

N2の取得が間に合わない場合は、職務内容や配属先を見直す方法もあります。たとえば、外部対応が多い業務ではなく、社内の専門業務を中心にする形です。

ただし、実際の仕事内容と申請内容が違ってはいけません。書類上だけ対人業務ではないように見せるのは避けましょう。

企業が申請前に確認すべき3つのポイント

外国人材を採用したいと思っていても、技人国ビザの申請で何を確認すればよいのか、不安に感じる企業担当者の方も多いでしょう。特に、N2要件が関係する場合は、本人の日本語力だけでなく、会社の状況や仕事内容も確認する必要があります。

申請前に確認したいポイントは、主に以下の3つです。

  1. 自社の企業カテゴリー
  2. 採用予定者の日本語力・学歴
  3. 実際に任せる仕事内容

1.自社の企業カテゴリーを確認する

まずは、自社がどの企業カテゴリーに当たるかを確認しましょう。

特に、カテゴリー3・4の企業は注意が必要です。日本語を使う対人業務で外国人材を採用する場合、N2相当の証明を求められる可能性があります。

自社のカテゴリーを確認する際は、以下の情報を見ます。

  • 会社が上場企業に当たるか
  • 源泉徴収税額が一定以上あるか
  • 法定調書合計表を提出できるか
  • 新設法人など、実績資料が少ない会社か

中小企業やスタートアップの場合は、カテゴリー3・4に当たる可能性が高いです。判断が難しい場合は、顧問税理士や専門家に確認しておくと安心です。

2.採用予定者の日本語力・学歴を確認する

次に、採用予定者の日本語力と学歴を確認します。

N2を持っているかだけでなく、ほかの日本語試験で証明できるかも見ておきましょう。

確認したい項目は、以下のとおりです。

  • JLPT N2以上を持っているか
  • BJTやJ.TESTなどの結果があるか
  • 日本の大学を卒業しているか
  • 日本の大学院を修了しているか
  • 日本の専門学校で専門士を取得しているか

日本の大学や専門学校を卒業している場合は、N2相当の証明が不要になる可能性があります。そのため、卒業証明書などの書類も早めに確認しておきましょう。

3.任せる仕事内容が対人業務に当たるか確認する

最後に、採用後に任せる仕事内容を整理します。

重要なのは、職種名ではなく実際の業務内容です。社内業務が多いとされる業種で採用する場合でも、実際、顧客との打ち合わせや日本語での説明が多い場合は、N2以上の資格が必要です。

反対に、社内の専門業務が中心であればN2要件の対象外になります。

申請前には、以下の点を確認しましょう。

  • 顧客や取引先と直接やりとりするか
  • 日本語で説明・提案・調整を行うか
  • 業務の中心が対人対応になっていないか
  • 申請書類の内容と実際の業務が一致しているか

書類上の業務内容と、実際に任せる仕事に矛盾が発生すると、申請時や更新時に問題になってしまいます。採用前の段階で、必ず業務内容を明確にしましょう。

判断に迷う場合は行政書士へ相談を

技人国ビザのN2要件は、N2の有無だけで判断できるものではありません。

勤務先の企業カテゴリー、実際の業務内容、本人の学歴や日本語力などを総合的に確認する必要があります。

自己判断で進めると、追加資料を求められたり、申請がスムーズに進まなかったりする可能性があります。

不安がある場合は、早めに行政書士へ相談し、自社や採用予定者の状況に合った準備を進めましょう。

まとめ

今回は、技人国ビザでN2が必要になるケースや、N2がない場合の対応策についてご紹介しました。

  • 技人国ビザでは、2026年4月以降、一部の申請でN2相当の日本語力を示す資料が必要
  • ただし、すべての人にN2が必要なわけではない
  • 主に確認すべき条件は以下の2つ
    ・カテゴリー3・4の企業で働く場合
    ・日本語を使う対人業務に就く場合
  • 日本の大学・専門学校を卒業している場合や、対人業務に当たらない場合は不要になる可能性がある
  • N2がない場合でも、BJTやJ.TESTなどで証明できる場合がある
  • 企業側は、企業カテゴリー・採用予定者の日本語力や学歴・実際の仕事内容を事前に確認することが大切

技人国ビザのN2要件は、N2を持っているかどうかだけで判断するものではありません。会社の状況や任せる業務内容、採用予定者の学歴などによって、必要な対応は変わります。

外国人材を採用する際は、制度の内容を正しく理解し、申請前に必要な準備を進めましょう。本記事が、技人国ビザとN2要件への理解を深める一助になりましたら幸いです。

※本記事は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁を参考に作成しています。

日本版デジタルノマドビザ条件は年収1000万?2026最新の注意点

日本のデジタルノマドビザ(特定活動・告示53号)は、対象となる49の国・地域の国籍であること、年収1,000万円以上、民間医療保険への加入、日本国外のクライアントとの契約という、4つの条件を満たすことで取得できます。 

デジタルノマドの在留資格は、2024年4月にスタートした制度です。最長6か月、海外の仕事を続けながら日本に滞在することができます。

本記事では、日本のデジタルノマドビザについて

・取得できる条件(国籍・年収・保険・働き方)
・申請に必要な書類
・手続きの流れと審査期間の目安
・申請前に知っておきたい注意点

を、日々ビザ申請の実務に携わる行政書士の視点から解説します。 

申請を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

日本のデジタルノマドビザ(特定活動・告示53号)とは

日本のデジタルノマドビザとは、海外の雇用主や顧客との契約を続けながら、日本でリモートワークができる在留資格です。 正式には「特定活動(告示53号)」といいます。認められる活動は、

主に以下の2つです。

・海外の企業との雇用契約に基づくリモートワーク
(ITエンジニア、ソフトウェア開発者、Webデザイナー、オンライン秘書など) 

・海外の顧客に対するオンラインでのサービス提供・物品販売

観光目的の短期滞在ビザの在留期間が最長90日なのに対して、デジタルノマドビザは最長6か月滞在することができます。また、本資格では海外クライアントとの契約のみ認められており、日本国内での就労活動はできません。

制度導入の背景には、コロナ禍をきっかけに世界規模でリモートワークが普及したこと、在宅ワークやノマドワークという働き方が急速に広まったことがあります。高所得層が多いデジタルノマドに日本へ滞在してもらうことで、消費による経済効果やイノベーション促進が期待されています。

詳しくは、「デジタルノマドビザとは?日本で取得する方法と必要書類を徹底解説」をご覧ください。

日本のデジタルノマドビザの取得条件

日本のデジタルノマドビザを取得するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 査証免除国かつ租税条約締結国の国籍を持つこと 
  2. 個人年収が1,000万円以上であること 
  3. 仕事の相手先が日本国外であること(日本企業への就労は不可) 
  4. 補償額1,000万円以上の民間医療保険に加入していること

    1つでも欠けてしまうと申請できないため、自分が要件に当てはまるかを事前に確認しておきましょう。

    1. 対象国籍

    取得できるのは、査証(ビザ)免除国かつ日本と租税条約を締結している国・地域の国籍保有者に限られます。 以下、対象となる49か国・地域です(2026年2月現在)。

    アジア・オセアニアオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、香港、マカオ、ブルネイ
    北米アメリカ、カナダ
    中南米アルゼンチン、チリ、メキシコ
    ヨーロッパイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、スイス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランド、アイルランド、オーストリア、ポルトガル、ギリシャ、ルクセンブルク、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ブルガリア
    中東イスラエル、アラブ首長国連邦、トルコ
    アフリカ南アフリカ
    出典:出入国在留管理庁「対象国・地域一覧(PDF)

    なお、インド・フィリピン・インドネシアなどは現時点では対象外です。 

    年収要件:年収1,000万円以上

    デジタルノマドビザでは、申請者本人の年収が1,000万円以上必要です。世帯年収ではなく、個人の収入で判断されます。また、以下のケースも認められています。

    • 昇給・昇格により、今後1,000万円以上となることが見込まれる場合 
    • 新規採用で契約年俸が1,000万円の場合 
    • 複数の収入源がある場合(安定的な収入と認められれば合算可能)

    個人事業主の場合は、契約金額ではなく、必要経費を差し引いた利益の金額で判断されます。証明書類として、雇用契約書や取引先との契約書(金額・期間の明記があるもの)、納税証明書、所得証明書などが必要です。

    なお、税金については、租税条約の要件を満たせば日本での課税が免除される場合があります。ただし、租税条約の内容は国によって異なるため、詳細は自国の税務当局や税理士に確認することをおすすめします。

    働き方:日本企業への就労は不可

    デジタルノマドビザでは、仕事の相手先(雇用主・顧客・事業拠点)が日本国外にあることが前提です。日本国内の企業や個人との新たな雇用・業務委託契約は認められていません。 

    本人だけでなく、帯同する配偶者・子どもも同様に日本国内での就労は禁止です。違反した場合は在留資格の取り消しや強制退去などの処分を受ける可能性があります。

    その他:民間医療保険への加入

    デジタルノマドビザでの滞在者は中長期在留者に該当しないため、日本の公的医療保険(国民健康保険等)に加入できません。そのため、民間の医療保険への加入が必須となっています。

    加入する保険は、以下の3つの条件をすべて満たしていなければなりません。

    • 滞在予定期間全体をカバーしていること 
    • 傷害・疾病への治療費用補償額が1,000万円以上であること 
    • 死亡時の補償(遺体輸送費または死亡保険金の支給)が含まれていること

    海外旅行傷害保険やクレジットカード付帯の海外旅行保険も、上記の条件をすべて満たせば利用できます。

    デジタルノマドビザの申請に必要な書類

    デジタルノマドビザの申請に必要な書類は、主に以下の書類です。


    【デジタルノマド本人の必要書類】

    ・査証申請書(写真貼付) 
    ・旅券(パスポート)
    ・在留資格認定証明書
    ・活動予定・滞在期間を説明する資料
    (法務省指定様式) 
    ・年収1,000万円以上を証明する書類
    (納税証明書・所得証明書・雇用契約書・取引先との契約書等) 
    ・民間医療保険の加入証書および約款の写し

    また、帯同家族の場合は以下のような書類が必要になります。


    【帯同する配偶者・子どもの必要書類】

    ・査証申請書
    (写真貼付) 
    ・旅券(パスポート) 
    ・在留資格認定証明書
    ・活動予定・滞在期間を説明する資料 
    ・民間医療保険の加入証書および約款の写し

    ・申請人と本人の身分関係を証する書類 
    ・本人の旅券の写し

    書類の不備は審査の遅延や不許可につながるため、提出前にしっかり確認しておきましょう。なかでも、年収証明書類、就労・取引契約書、医療保険証書の3つは審査の要となります。日本語または英語での記載が必要な場合もあるため、必要に応じて翻訳したものを用意しましょう。

    出典:外務省「特定査証:特定活動(デジタルノマド・デジタルノマドの配偶者等)

    日本のデジタルノマドビザ取得手続きの流れ

    デジタルノマドビザの申請は、日本国内で行う「国内申請」と、本国の日本大使館・総領事館で行う「在外公館申請」の2つがあります。それぞれ手順や審査期間が異なるため、自分の状況に合った方法を選びましょう。

    申請前の準備

    申請手続きを進める前に、まずは以下の点を確認・準備しておきましょう。

    ・自分の国籍が対象の国や地域に含まれているか確認する 
    ・年収証明に使う書類(納税証明書・雇用契約書等)を発行・収集する
    ・医療保険の内容を確認し、3つの条件をすべて満たしているか確認する
    ・法務省指定の活動説明様式をダウンロードして記入する

    特に、年収証明書類や保険証書は発行に時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めることをおすすめします。

    申請の流れ

    申請方法は「国内申請」と「在外公館申請」の2つがあります。

    国内申請(日本滞在中に申請する場合)

    来日前にビザを取得せず、短期滞在(ビザなし)で来日してから手続きを行う方法です。

    1. 書類を準備する
    2. 管轄の地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を提出する
    3. 証明書が交付されたら在留資格変更許可申請を行う
    4. 審査完了後、日本国内でデジタルノマドビザでの活動を開始

    許可が下りればそのまま日本で活動を続けられます。 在留期限(短期滞在90日)を過ぎる前に申請を完了させる必要があるため、来日後は早めに手続きを進めましょう。

    在外公館申請(本国から申請する場合)

    居住国の日本大使館・総領事館で査証を申請する方法です。

    1. 書類を準備する
    2. 居住国の日本大使館または総領事館で査証申請を行う
    3. 審査完了後、発給された査証の有効期間内に日本へ入国する
    4. 上陸審査を経て、デジタルノマドビザでの滞在を開始

    来日前に審査が完了しているため、入国後すぐに活動を始められます。しかし、審査完了まで数か月かかる場合があるため、早めに申請しましょう。

    審査期間の目安

    国内申請の場合、審査期間はおおむね1〜3か月です。書類に不備があった場合、短期滞在の在留期限(90日)内に審査が終わらないケースもあるため、余裕を持って申請しましょう。

    日本のデジタルノマドビザ申請の注意点とスムーズに取得するポイント

    デジタルノマドビザは2024年に始まった新しい制度のため、他とは異なるルールが複数あります。主に、以下の4つです。

    • 更新・延長は不可
    • 日本国内での就労は禁止
    • 賃貸契約が困難
    • 民間の医療保険への加入が必須

    申請前に把握しておくことで、トラブルや審査の遅れを防ぐことができます。

    更新・延長は不可

    デジタルノマドビザの在留期間は最長6か月で、更新・延長は一切認められていません。 再度取得したい場合は、在留期限内に出国し、出国から6か月以上が経過した後であれば再申請が可能です。

    また、デジタルノマドビザから就労ビザなど他の在留資格への変更も、原則として認められていません。日本への就職・長期移住を検討している場合は、デジタルノマドビザとは別に計画を立てる必要があります。

    日本国内での就労は禁止

    このビザでは、資格外活動許可を取得することができません。 つまり、日本国内の企業でのアルバイトや、日本の顧客へのサービス提供は一切禁止です。

    本人だけでなく、帯同する配偶者・子どもも同様に就労できません。 違反した場合は、在留資格の取り消しや強制退去の対象になる可能性があります。

    賃貸契約は難しい:短期物件の活用が必要 

    デジタルノマドビザでは在留カードが発行されません。 
    在留カードがないと、一般的な賃貸契約の入居審査に落ちやすくなります。

    また、6か月という滞在期間は長期賃貸に向かないため、マンスリーマンション・家具家電付き短期物件・民泊(Airbnb等)を活用するのが現実的です。

    民間の保険加入が必須

    デジタルノマドビザを取得している在日外国人の方は、日本の公的医療保険に加入できないため、民間の医療保険への加入が必須となります。

    クレジットカード付帯の保険を利用する場合は、補償内容を必ず事前に確認してください。

    審査に時間がかかる

    審査期間の目安は1〜3か月ですが、書類の不備があった場合は当然、手続きにかかる期間も長引きます。 これは、デジタルノマドビザに限った話ではありませんが、初めて申請をする方は特に注意が必要なポイントです。

    書類に不備があっても再提出できる場合がほとんどですが、事前に内容を丁寧に確認することが、スムーズな取得につながります。不安がある方は、ビザ申請の専門である行政書士への相談をおすすめします。

    まとめ

    日本のデジタルノマドビザは、条件を満たせば最長6か月、海外の仕事を続けながら日本に滞在できる魅力的な制度です。 申請を検討している方は、まず以下の取得条件を満たしているか確認することから始めましょう。

    • 国籍:査証免除国かつ租税条約締結国の国籍保有者(49か国・地域)が対象 
    • 年収:個人年収1,000万円以上の証明が必要 
    • 働き方:仕事の相手先が日本国外であること(日本国内での就労・アルバイトは禁止) 
    • 保険:補償額1,000万円以上の民間医療保険への加入が必須

    条件を満たしていることが確認できたら、次は必要書類の準備と申請ルートの選択です。審査には1〜3か月かかります。スケジュールに余裕を持って手続きを進めましょう。

    本記事が、日本のデジタルノマドビザの取得のお役に立てましたら幸いです。

    デジタルノマドビザとは?日本で取得する方法と必要書類を徹底解説

    リモートワークの普及により、場所にとらわれない働き方が世界的に広がっています。日本でも2024年4月から、海外の企業に所属しながら日本で働ける「デジタルノマドビザ」の制度がスタートしました。

    この記事では、デジタルノマドビザの

    ・基本情報
    ・取得要件
    ・申請方法
    ・必要書類

    について詳しく解説します。

    日本での長期滞在を検討している外国人の方、また外国人材の受け入れを考えている企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

    デジタルノマドビザとは?リモートで働きながら日本に滞在できる新制度

    デジタルノマドビザは、外国人が日本に滞在しながら海外の企業やクライアントと日本国内でリモートワークを行うための在留資格です。正式には「特定活動(告示53号)」といい、配偶者や子どもが帯同する場合は「特定活動(告示54号)」が適用されます。

     デジタルノマドビザ 基本情報

    デジタルノマドビザは、海外に拠点のあるクライアントとの仕事を続けながら、日本に一定期間滞在することができるビザです。日本国内の企業や顧客を相手に働くことは、原則として認められていません。

    デジタルノマドビザで認められている活動内容は、次の2つです。

    1. 海外企業との雇用契約に基づくリモートワーク
    2. 海外顧客へのサービス・物品提供

    1. 海外企業との雇用契約に基づくリモートワーク

    デジタルノマドビザでは、外国の法人や団体との雇用契約を結び、日本に滞在しながら、オンラインで業務を行うことが可能です。具体的には、ITエンジニア、ソフトウェア開発者、デジタルデザイナー、オンライン秘書などが該当します。

    2.海外顧客へのサービス・物品提供 

    海外にいる顧客に対して、インターネットを通してサービスや物品を提供する事が可能です。一方、報酬の支払元や取引先が日本国内にあるサービス・販売は認められていません。

    また、フリーランスとして海外企業の事業経営を行う個人事業主もデジタルノマドビザの対象です。

    最長6か月間の滞在が可能です。配偶者や子どもも一緒に日本に滞在できますが、在留期間の更新はできません。再度取得する場合は、いったん出国し、6か月以上経過する必要があります。

    参照:出入国在留管理庁 

    制度導入の背景

    導入の背景には、世界的にリモートワークが普及したことと、高所得で高度な技術を持つ外国人材を日本に呼び込みたいというという狙いがあります。
    日本政府は2023年に制定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、デジタルノマドビザの制度化を明文化しました。2024年2月にはパブリックコメントが開始され、3月29日に告示、4月1日から制度が正式にスタートしています。

    コロナ禍をきっかけにリモートワークが世界規模で広まっており、「デジタルノマド」という働き方が注目されるようになりました。現在、世界では3500万人のデジタルノマドがおり、市場規模は7870億ドルにのぼるとされています。

    こうした流れを受け、すでに世界50か国以上がデジタルノマドビザを導入しており、日本は他国に比べて遅れをとっていました。
    デジタルノマドは高所得層が多く、日本に滞在してもらうことで、消費による経済効果が期待できます。また、日本人の交流を通じて、新たな発想やビジネスが生まれるなど、イノベーションの促進につながると考えられています。

    参照:経済財政運営と改革の基本方針 2023 について 

    日本版デジタルノマドビザの取得要件

    デジタルノマドビザを取得するには、4つの要件をすべて満たす必要があります。

    1. 活動内容:海外企業との雇用契約または海外顧客へのサービス提供
    2. 滞在期間:最長6か月(更新不可)
    3. 対象国:49か国・地域の国籍保有者
    4. 年収:1000万円以上の証明
    5. 医療保険:民間の医療保険への加入

    詳しく解説します。

    活動内容

    デジタルノマドビザでは、海外企業との雇用契約または海外顧客へのサービス提供が前提となります。日本国内の企業や顧客を相手に働くことは認められていません。

    滞在期間は最長6か月です。在留期間の更新は認められていないため、再度デジタルノマドビザを取得したい場合は、一度日本を出国してから6か月以上経過する必要があります。

    また、デジタルノマドビザから他の在留資格への変更も原則として認められていません。日本での長期滞在を希望する場合は、就労ビザなど他の在留資格を取得しましょう。

    対象国は49か国・地域

    デジタルノマドビザを取得できるのは、査証免除国かつ租税条約を締結している国や地域の国籍保有者に限られます。2026年1月現在、対象となるのは49か国・地域です。

    地域
    アジア・オセアニアオーストラリアニュージーランドシンガポール韓国台湾香港マカオブルネイ
    北米アメリカカナダ
    中南米アルゼンチンチリメキシコ
    ヨーロッパイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、スイス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドアイスランドアイルランドオーストリアポルトガルギリシャルクセンブルクチェコハンガリーポーランドスロバキアスロベニアエストニアラトビアリトアニアルーマニアブルガリア
    中東イスラエルアラブ首長国連邦トルコ
    アフリカ南アフリカ
    出典:出入国在留管理庁/対象国・地域一覧

    なお、家族帯同の場合、配偶者や子どもは査証免除国の国籍保有者であれば対象となります。詳しくは、出入国在留管理庁/対象国・地域一覧をご覧ください。

    年収1000万円以上の証明が必要

    デジタルノマドビザの取得には、申請者本人の年収が1000万円以上であることが必要です。申請の際に、就労した国で発行された納税証明書または所得証明書の提出が求められます。

    ただし、昇給や昇格により、年収1000万円以上となることが見込まれる方や、新規採用で契約年俸が1000万円の場合も認められます。個人事業主の場合は、契約金額ではなく、必要経費を差し引いた利益の金額での判断です。

    医療保険への加入が必須

    デジタルノマドビザの取得には、民間の医療保険への加入が必須です。

    デジタルノマドビザでの滞在者は中長期在留者に該当しないため、日本の公的医療保険に加入できません。そのため、日本滞在中の医療費は民間の医療保険でカバーする必要があります。
    加入の際は、以下の3つの条件を満たしていることを確認してください。

    1.  滞在予定期間をカバーしていること

     日本での滞在期間全体を補償対象としている保険であることが必須です。

    1.  傷害・疾病の治療費用補償額が1,000万円以上であること

     病気やケガによる医療費について、1,000万円以上の補償額が求められます。

    1.  死亡に関する補償が含まれていること

     遺体輸送費または死亡時の保険金支給が補償内容に含まれている必要があります。死亡に関する補償金額の下限は定められていません。

    【利用できる保険の例】
    ・海外旅行傷害保険
    ・クレジットカードに付帯する海外旅行保険

    いずれも上記3条件をすべて満たしている場合に限り有効です。なお、デジタルノマドビザの申請時には、保険に関する以下のような書類の提出が求められます。

    【ビザ申請に必要な保険関連書類】
    ・医療保険の加入証書
    ・保険約款の写し
    ・クレジットカード付帯保険の場合は補償内容が確認できる証明書類

    その他(家族帯同の場合)

    配偶者や子どもを帯同する場合は、帯同者全員、補償内容を満たす医療保険への加入が必須となります。詳細は、 外務省/デジタルノマド・デジタルノマドの配偶者等をご覧ください。

    デジタルノマドビザのメリット・デメリット

    デジタルノマドビザは、リモートワークが普及している今、なくてはならない在留資格です。日本に滞在しながらでも海外の仕事ができる、働き方の自由度が上がるといった利点がある一方で、注意すべきデメリットもあります。

    取得を検討する際は、両方を理解したうえで判断することが重要です。

    デジタルノマドビザのメリット

    1.  最長6か月間滞在できる
      短期滞在ビザ(最長90日)と比べ、倍の期間日本で生活できます。
    2.  海外の仕事を継続しながら滞在可能
      日本に拠点を移しつつ、海外企業やクライアントとのリモートワークを続けられます。
    3.  配偶者・子どもと一緒に滞在できる
      家族で日本文化を体験したり、子どもに日本の教育環境を経験させたりすることができます。
    4.  旅行と仕事を両立できるライフスタイル
      リモートワークの特性を活かし、場所を選ばずに働けます。

    h3 デジタルノマドビザのデメリット

    1.  在留期間の更新ができない
      最長6か月の滞在後は必ず出国しなければなりません。再度取得する場合、出国後6か月以上経過する必要があります。
    2.  在留カードが発行されない
      銀行口座の開設や携帯電話の契約など、日常生活で不便を感じる場面があります。
    3.  日本の公的医療保険に加入できない
      民間の医療保険への加入が必須となり、医療費が高額になる可能性があります。
    4.  日本国内での就労は不可
      資格外活動許可が取得できないため、日本企業でのアルバイトや日本の顧客への直接的なサービス提供はできません。
    5.  他の在留資格への変更が原則不可
      日本で就職を希望する場合は、一度出国し、就労ビザを取得し直す必要があります。
    6.  年収要件が高い
      年収1,000万円以上という条件があり、誰でも取得できる在留資格ではありません。デジタルノマドビザは、日本での長期滞在とリモートワークを両立できる一方、更新不可や就労制限などの注意点もある在留資格です。

    デジタルノマドビザの申請方法と必要書類

    デジタルノマドビザの申請方法は、国内申請在外公館申請の2つがあり、どちらを選ぶかは申請者の滞在状況によって異なります。ここでは、それぞれの申請手順と押さえておくべきポイントをチェックしましょう。

    必要書類

    デジタルノマドビザの申請には、以下の書類が必要です。

    書類名内容備考
    在留資格変更許可申請書 または 査証申請書デジタルノマドビザを申請する際に提出する所定の申請書日本国内での申請か、海外からの申請かにより様式が異なる
    写真(1枚)縦4cm×横3cm、申請前6か月以内に撮影した顔写真無帽・正面・背景無地が必要
    パスポートおよびコピー有効期限内のパスポート原本と写し申請時に原本の提示が求められる
    雇用契約書 または 業務委託契約書のコピー日本国外の企業等との就労関係を証明する書類日本語または英語での記載が必要
    納税証明書 または 所得証明書年収1,000万円以上であることを証明する書類直近年分、公的機関発行のものが望ましい
    医療保険の加入証明書 または 約款の写し日本滞在中に有効な医療保険への加入を証明する書類治療費1,000万円以上、死亡時補償を含むこと
    在留中の活動計画書滞在目的、業務内容、滞在期間などを説明する書類任意様式だが提出を推奨
    身元保証書日本国内の身元保証人による保証書身元保証人がいる場合のみ提出

    デジタルノマドビザの申請では、特に収入証明・就労契約・医療保険の3点が重要視されます。

    国内申請の流れ

    国内申請は、短期滞在(観光など)で日本に滞在中の方が利用できる方法です。

    【申請手順】

    1. 必要書類を準備する
    2. 住所地を管轄する地方出入国在留管理局へ申請
    3. 在留資格変更許可申請を提出
    4. 審査(約1か月〜3か月)
    5. 許可後、日本国内でデジタルノマドとして活動開始

    許可が下りれば、出国せずそのまま日本で活動を始められます。審査には時間がかかるため、在留期限に余裕を持って申請しましょう。

    在外公館申請の流れ

    在外公館申請は、日本国外から申請する方法です。

    申請手順

    1. 必要書類を準備する
    2. 現地の日本大使館または総領事館で査証申請
    3. 審査(約1週間〜1か月)
    4. 査証発給
    5. 査証の有効期間内に日本へ入国
    6. 上陸審査後、デジタルノマドビザでの滞在開始

    審査期間は国・地域により異なります。

    参照:デジタルノマドビザ申請の流れ

    デジタルノマドビザ申請時の注意点

    デジタルノマドビザには、他の在留資格とは異なる制約があります。申請前に以下の注意点を必ず確認しておきましょう。

    在留カードは発行されない

    デジタルノマドビザでは在留カードが発行されません。

    在留カードは中長期在留者に対して発行されます。デジタルノマドビザは中長期在留者に該当しません。在留カードがないと、銀行口座の開設や携帯電話の契約など、日常生活で必要な手続きができない場合があります。

    金融機関や通信事業者によっては、パスポートのみで対応してくれるケースもありますが、利用予定の機関・業者には事前に確認しましょう。

    また、住民登録の手続きにも在留カードが必要です。住民票が必要な手続きや、市区町村のサービスは利用できないため注意しましょう。

    資格外活動許可は取得できない

    デジタルノマドビザでは、資格外活動許可を取得することができません。つまり、日本国内の企業でのアルバイトや、日本の顧客に対して直接サービスを提供することは認められません。

    デジタルノマドビザで許可されているのは、あくまで海外の企業やクライアントとの契約に基づく業務のみです。日本国内で収入を得る活動を行った場合、強制退去などの処分を受ける可能性があります。日本でビジネスを展開したい場合は、経営・管理ビザなど別の在留資格を検討しましょう。

    他の在留資格への変更は原則不可

    デジタルノマドビザから他の在留資格への変更は、原則として認められていません。
    たとえば、日本企業から内定をもらったとしても、デジタルノマドビザから就労ビザへ直接変更することはできません。在留資格を変更したい場合は、一度日本を出国し、在外公館で新たな査証を取得する必要があります。

    ただし、結婚や妊娠など人道上の理由がある場合は、例外的に在留資格の変更が認められる可能性があります。

    デジタルノマドビザに関するお困りごとは行政書士へ相談を

    デジタルノマドビザの申請は、必要書類が多く、日本語での手続きも求められます。行政書士に依頼することでは、手続きをスムーズかつ確実に進めることができるでしょう。

    専門家の手を借りることで、申請要件の事前チェックや年収証明・医療保険内容の確認など、デジタルノマドビザを取得するための準備・申請書作成などの複雑な手続きを任せられます。

    日本語での書類作成が難しい外国人の方でも、安心して手続きを進めることが可能です。万が一、追加書類の提出が必要になった場合も、専門家に頼ることでより迅速かつスムーズに対応できます。

    また、ビザ申請は一度不許可になると再申請が難しくなるケースもあるため、デジタルノマドビザを確実に取得したい方・慣れない手続きでお困りの方は、行政書士にぜひ一度ご相談ください。

    まとめ

    本記事では、日本で新たにスタートしたデジタルノマドビザについて、以下のポイントを中心に解説しました。

    ・デジタルノマドビザとは
    海外企業や海外顧客と契約したまま、日本に滞在しリモートワークができる在留資格(正式には、特定活動・告示53号)。

    ・デジタルノマドビザの取得要件
    活動内容の制限や最長6か月(更新不可)の滞在期間、対象49か国・地域、年収1,000万円以上の証明、民間医療保険への加入など、複数の条件を満たす必要がある。

    ・メリット
    国外の仕事と両立しながら滞在できる/長期滞在とリモートワークを両立できる…

    ・デメリット
    在留カードが発行されない/日本国内での就労ができない/他の在留資格へ原則変更できない…

    ・申請方法と必要書類
    国内と国外で申請方法がそれぞれ異なる。
    また、ビザ申請において、特に「収入証明」「就労契約」「医療保険」が重要書類。

    ・申請時の注意点
    在留カード未発行、資格外活動不可、在留資格変更が原則不可といった制度特有の制約がある。

    デジタルノマドビザは、日本での滞在を楽しみながら海外の仕事を継続できる魅力的な制度ですが、年収要件の高さや更新不可など、他の在留資格にはない制限も多くあります。

    要件を正確に理解せずに申請すると、不許可やトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。

    申請要件の判断や書類準備に不安がある場合は、行政書士などビザ手続きの専門家へ相談することで、より確実かつスムーズに進めることができます。

    本記事が、デジタルノマドビザの取得を検討している方や、日本滞在を計画している方の参考になれば幸いです。

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    【保存版】フィリピン人のビザ取得費用は?内訳と費用を抑えるポイント

    「ビザ取得の費用は、一体いくらかかるのだろう…?」
    フィリピン人の方々をはじめ、日本で生活する外国人は年々増加しており、日本に入国するために必須となるビザ取得のニーズが高まっています。特に初めてビザ申請をする際は、どのくらいの予算が必要なのか気になる方も多いでしょう。

    ビザ取得には手続き費用だけでなく、必要書類の準備や申請代行の費用なども含まれます。

    この記事では、フィリピン国籍の方が日本のビザを取得する際にかかる費用について、費用の内訳からケース別の相場、さらに費用が高くなりやすい注意点までをまとめて解説します。

    フィリピン国籍の方が日本のビザにかかる費用は?

    フィリピン国籍の方が日本のビザを取得する場合、日本政府に支払うビザ自体の手数料は原則無料です。ビザ取得にかかる実質の費用は、ビザそのものではなく、申請手続きに伴う周辺費用によって決まります。内訳は以下の2点です。

    • フィリピン国籍の方が日本に入国するまでにかかる費用(ビザ)
    • 日本入国後にかかる費用(在留資格関連)

    ここでは、ビザと在留資格の違いを明確にしながら、それぞれ詳しく解説します。

    ビザと在留資格の違いについて

    「ビザ(査証)」と「在留資格」は別物です。
    ビザ(査証)は日本に入国するための許可であり、海外にある日本大使館・総領事館が発給します。一方、在留資格は日本に入国した後、どのような目的でどのくらい滞在できるかを定める資格で、日本の出入国在留管理局が管轄しています。

    そのため、費用についても、入国までにかかるビザ関連の費用と入国後に発生する在留資格関連の費用は分けて考えましょう。

    フィリピン国籍の方が日本に入国するまでにかかる費用(ビザ)

    ここでは、日本へ入国するまで=ビザ(査証)取得までに発生する費用について解説します。

    日本政府の査証手数料

    フィリピン国籍の方が申請する日本のビザについては、日本政府に支払う査証手数料は原則無料です。

    JVAC(ビザ申請センター)利用料

    フィリピンでは、日本大使館・総領事館へ直接ビザ申請を行うことはできず、指定代理機関であるJVAC(Japan Visa Application Center)を通じて申請します。この際、書類受付・提出・返却などにかかるJVACの利用料が発生します。

    金額は申請内容や利用するサービスによって異なりますが、オプションを含めて2,000〜3,000ペソ前後です。

    フィリピン側の書類取得費用

    ビザ申請にあたり、フィリピン国内で以下のような書類取得費用が発生する場合があります。

    • PSA(出生証明書・婚姻証明書など)の発行手数料
    • 翻訳費用(英語または日本語)
    • 郵送費・交通費などの実費

    これらはビザ申請準備に伴う費用であり、金額は個人の状況によって異なります。

    MWO(旧POLO)承認にかかる費用

    就労を目的としたビザの場合、MWO(旧POLO)の承認手続きが必要となるケースがあります。これはフィリピン政府側の手続きであり、ビザそのものの費用ではありませんが、入国前に必要となる準備費用の一部です。

    日本入国後にかかる費用(在留資格関連)

    ここからは、日本に入国した後に発生する在留資格に関する費用についてです。

    在留期間更新許可

    在留期限を延長する場合、在留期間更新許可申請が必要となり、 許可された場合に4,000円の手数料がかかります。

    在留資格変更許可

    活動内容を変更する場合(例:留学から就労など)、 在留資格変更許可申請を行い、許可時に4,000円が必要です。

    再入国許可

    日本を一時的に出国する際、みなし再入国許可を利用しない場合には、再入国許可(単数・数次)の申請が必要となり、内容に応じた手数料が発生します。

    行政書士への依頼費用(任意)

    在留資格の更新や変更を行政書士に依頼する場合は報酬が別途発生しますが、あくまで任意です。専門家に任せることで、不許可のリスクを下げられる点がメリットです。

    ケース別:フィリピン国籍の方が日本のビザを取る場合の費用

    フィリピン国籍の方が日本のビザを取得する際にかかる費用は、ビザの種類や申請方法、必要な手続きによって変動します。ここでは、よくある以下の4つのケースにおける費用の目安をご紹介します。

    ケース1:観光・短期滞在ビザ(親族訪問・観光)
    ケース2:日本人配偶者・定住者・家族滞在ビザ
    ケース3:就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)
    ケース4:特定技能・技能実習ビザ

    ケース1:観光・短期滞在ビザ(親族訪問・観光)

    • 日本のビザ手数料:無料
    • JVAC関連費用
    • サービス料:数千円〜 
    • 書類取得・翻訳費用:数千円〜1万円前後

    合計目安:1万〜2万円台

    自力申請がしやすく、比較的費用を抑えやすいビザです。ただし、書類不備による再提出があると、JVAC関連費用が再度発生する場合があります。

    ケース2:日本人配偶者・定住者・家族滞在ビザ

    • 日本のビザ手数料:数千円程度 ・
    • JVAC関連費用:数千円〜
    • 戸籍・PSA書類取得、翻訳費用:1万〜3万円程度
    • 専門家へ依頼した場合の代行費用:5万〜15万円程度

    合計目安:3万〜20万円前後

    書類量が多く、内容の整合性が重視されるため、行政書士などに依頼するケースが多くなります。その分、費用差が大きく出やすいのが特徴です。

    ケース3:就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)

    • 日本のビザ手数料:数千円程度
    • JVAC関連費用:数千円〜
    • MWO(旧POLO)関連手続き費用:数万円程度
    • 企業側または個人負担の書類準備費用

    合計目安:5万〜15万円前後

    日本側企業が費用を負担しますが、契約内容によっては本人負担が発生するケースもあります。

    ケース4:特定技能・技能実習ビザ

    • 日本のビザ手数料
    • 査証手数料:1150ペソ(日本円で3千円前後)
    • JVAC関連費用:数千円〜
    • MWO承認関連費用:数万円 ・送り出し機関
    • 監理団体関連費用:ケースにより異なる

    合計目安:10万〜30万円

    制度上の手続きが多く、関係機関も多いため、他のビザに比べて費用が高くなりやす   い傾向があります。どのケースでも、何に費用がかかるかを把握することが大切です。
    特に就労ビザではMWO承認や代行手数料が加わるため、事前に必要な費用を整理して準備しましょう。

    ビザ申請で費用が高くなりやすいケース

    フィリピン国籍の方が日本のビザを申請する際、費用が想定以上に高くなるケースがあります。ここでは、特に費用がかかりやすい代表的な3つのケースを整理していきましょう。

    代行手数料の内訳を確認せずに依頼した場合

    旅行会社、代行業者にすべて任せると、手数料が高額になる場合があります。サービス内容が不明確だと、何にいくらかかっているか分からないまま支払うことになりやすいです。

    対策:依頼前に費用の内訳を確認し、必要な部分だけを依頼しましょう。

    書類不備や差し戻しによる再申請

    書類が揃っていなかったり不備があると、JVACや大使館から差し戻されます。再提出にはJVACの再申請手数料や郵送費、交通費が再度かかる場合があります。

    対策:申請前に必要書類をチェックリストで確認し、二度手間を防止しましょう。

    更新や再入国費用が必要な場合

    就労ビザや家族滞在ビザは、在留期間の更新や一時帰国後の再入国の際に費用がかかることがあります。更新料、再入国許可申請料、JVAC利用料などが追加で発生します。

    対策:将来の更新費用をあらかじめ見越して準備しましょう。

    ビザ申請で費用が高くなるケースは、代行利用の仕方や書類準備、再申請の有無によって左右されます。初めて申請を行う方・不安がある方は、専門家への相談もぜひご検討ください。プロに依頼することで、手続きをしたことがない方でも効率的で安全なビザ申請ができます。

    まとめ

    フィリピン国籍の方が日本のビザを取得する際に必要な費用の目安と内訳についてご紹介しました。この記事で特に押さえておきたいポイントは、次の3つです。

    • 費用の種類と内訳を正しく理解すること
    • 必ずかかる費用と選択次第で抑えられる費用を見極めること
    • 書類準備や申請手順を丁寧に行い、再申請や差し戻しを防ぐこと

    事前に必要書類や手順を整理し、費用の内訳を把握することで無駄な出費を抑えられます。不安がある場合や書類準備に自信がないときは、行政書士に相談してサポートを受けると、スムーズで安心な申請が可能です。

    本記事がこれからビザの申請を予定しているフィリピン国籍の方やフィリピン国籍の方を日本に招きたいと考えている方皆様の一助となれば幸いです。

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